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今回の建設IT注目情報 ~大阪ガス「北部事業所ビル改修工事」~

 人間1人からの発熱量は、およそ100ワットの電球と同じくらいと言われています。当然、人が多く集まっている場所は発熱量が多く、呼吸によるCO2排出量も多くなりますので、空調や換気もそれに合わせて強化しなければなりません。

 夏場のオフィスでは外から帰ってきた人が「暑すぎる」と空調の設定温度を下げれば、ずっと室内にいる女性社員が「寒すぎる」と戻したりと、一進一退の攻防も繰り広げられます。

 一部の場所や一時的に暑く感じている人のためだけに、オフィス全体の空調温度を過度に下げることは、省エネには大きなマイナスですね。

 また、同じ温度でも人によって温熱感は異なります。「暑すぎる」「寒すぎる」などのちょっとした違和感は、いちいち口にするほどではないものの、黙っていると不満が高じてきます。

 こうした人間の行動をつぶさに観察し、ビル入居者の満足度を損ねずに省エネも実現する空調システムが、大阪ガスの北部事業所(大阪府高槻市)に導入されることになりました。
 
その内容は、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
省エネ機器の総合商社
 
と言えるほどバラエティーに富んでいるのです。

大阪ガス北部事業所に導入する主な設備(資料:大阪ガス)

 例えば、無線LANに接続できるIP携帯電話の在室検知機能を利用した省エネ制御です。電話に登録された性別などの情報をオフィス内のアンテナで取得し、人の分布や特性に応じて空調温度や外気導入量を最適に制御します。

 「クーリングルーム」は、外部から帰ってきた人が一時的に滞在するための部屋で、代謝量を下げるために空調温度を低く設定してあります。

 また、これまでビル管理者がエネルギー管理に使ってきた「BEMS」(Building Energy Management System)に、オフィスビル入居者とのコミュニケーション機能を付加します。入居者がこのシステムで温熱感を申告することで、ビル管理者はそれを確認しながら、無駄のない空調制御が行えます。温度に対する「暑い」「寒い」という入居者からの“苦情”を聞いてくれるわけですね。

 一方、入居者にはエネルギー消費量やCO2排出量に関するデータや省エネの目標達成状況、改善策の提案などを提供し、省エネ活動への参加意識を高めるような工夫も凝らされています。

 これは「在室者参加型温度設定制御」というものです。入居者は自分が「暑い」と思っても、周囲のみんなの総意で温度設定が決まっていると思うと、納得感が高くなるのだそうです。

 このほか、太陽熱温水器とガス吸収式冷温水機を組み合わせたハイブリッド冷暖房システムの導入や、発電機能付きガスヒートポンプエアコンによる電力の利用、春秋の中間期の外気冷房も行います。

 さらに高効率のインバーター式照明器具や明るさセンサーによる照度コントロール、日射遮へい効果の高い「Low-Eガラス」への入れ替えによる外皮負荷対策も行います。

 工事は2011年6月に始まり、2012年3月に完了する予定です。改修後は約25%のCO2削減効果を目指すこのビルは、いったいどんな建物なのでしょうか。