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今回の建設IT注目情報 ~オーヌマ社「BIMStorm Hong Kong」~

 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と言うと、3次元CADで作ったCGを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、建設プロジェクトの上流段階では3次元CADを使わないで作ったBIMモデルも使われています。

 米国カリフォルニア州のオーヌマ社(Onuma, Inc.)が開発したクラウドコンピューティング・サービス「Onuma System」は、建物の階数などの基本的なデータに基づき、ざっくりとしたBIMモデルを作成できるシステムです。

 同社社長のキモン・オーヌマ(Kimon Onuma)さんは、日本時間1月7日~8日に米国カリフォルニア州レッドランズで開催されたイベント「GeoDesign Summit」(主催:ESRI)で基調講演し、受講者を交えてこのシステムを実演しました。

 課題は香港の埋め立て地開発です。受講者は各自が建てたいと思うオフィスや自宅などを自由に思い描きながら、
 
スマートフォン
 
を使ってOnuma Systemに接続し、階数や大体の位置などのデータを入力しました。

 そのデータはオーヌマ社のスタッフがとりまとめ、位置が重ならないように敷地上に配置したり、形を整えたりしました。その結果、1時間もたたないうちに香港のビル群が完成したのです。その進行状況は、グーグルアース上でも随時公開されました。(グーグルアース用のKMZファイルはここ

グーグルアースで表示した開発予定地(上)と会場で講演するオーヌマさん(下)(グーグルアース画面:Google、写真:Kimon Onuma氏)

1時間もたたないうちにグーグルアース上にはBIMモデルで作られたビル群が出現した(3Dモデル:Kimon Onuma氏。グーグルアース画面:Google)

 オーヌマさんは、48時間という短時間で課題の建物を設計するインターネット上の仮想BIM国際コンペ「BIMStorm」の創始者としても知られています。これまで十数回行われた同コンペの中でも、Onuma Systemのサービスを参加者に提供してきました。

 今回は3次元CADによる細かい作業はなかったものの、1時間足らずという短い時間で、79棟ものビルのざっくりとしたBIMモデルを作ったのは初めてのことです。参加者の中には米国防総省の「ペンタゴン」並みの巨大な建物や、「16万階建て」という宇宙まで届くようなビルを入力した人もいました。

 また建設会社のバルフォア・ビーティー(Balfour Beatty)社ハリファックス支社が、ワシントンD.C.を舞台にして過去に開催されたBIMStormで作成した建物のBIMモデルも、香港に“移築”されました。

 ざっくりとしたBIMモデルとはいえ、各ビルは床や外壁が付いており、内部にはエレベーターや階段、トイレなどの「コア」と呼ばれる部分を内蔵しています。しかし、ドアや窓までは付いていません。

各ビルのBIMモデルにはエレベーターやトイレなどの「コア」がある(資料:Kimon Onuma氏)

 セミナー会場の受講者が各自のスマートフォンやパソコンによって、その場でBIMモデルを作れるのはBIMとクラウドコンピューティングが連携したおかげです。そして、そのデータを裏方で処理したオーヌマ社のスタッフも、またクラウドの強みを最大限に発揮しました。