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今回の建設IT注目情報 ~奥田建築事務所「BIMによる施工図の作成」~

 大手建設会社でも、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入はまだ設計部門が中心で、施工部門での活用はこれからといったところが多いようです。

 BIMモデルから、施工についての詳細な情報を書き込んだ「施工図」を作るのは、そう簡単ではないことがその一因でしょう。

 そんななか、奥田建築事務所(本社:三重県名張市)は2009年10月にBIM用のCADソフトを導入したのを機に大阪事務所(大阪市西区)に事実上移転し、活用技術を磨いてきました。

 その結果、
 
BIMで施工図を作成
 
できるまでになったのです。

奥田建築事務所のスタッフ。左から伊藤耕平さん、代表取締役の奥田道雄さん、奥田公朗さん、所長の田口輝昭さん(写真:家入龍太)

 同社は事務所にいるスタッフが4人、現場への派遣スタッフが2人という小さな会社で、建設会社からの依頼で施工図を作成する仕事をメーンとする“図面屋さん”です。

 使っているソフトは「Bentley Architecture」や「MicroStation」。ベンダーであるベントレー・システムズが開催した講習会に3日ほど参加した後、独学で活用方法をマスターしました。その間、ベンダーへの問い合わせメールは約100通にも上ったそうです。

 最初は架空のマンションを題材に練習しました。練習開始から1カ月後には3Dモデルの作成を終え、同2カ月後には施工図である「平面詳細図」を完成させたのです。

 これまで9つの物件でBIMを活用しました。複雑な配筋図などは3Dモデルでイラストを作り、現場にも掲示して施工手順の検討などに活用。現場の職人さんにも好評とのことです。

BIMモデルを基に作成したマンションの施工図(資料:奥田建築事務所)

複雑な配筋の3Dモデル(左)と鉄骨構造を示したアニメーション(右)(資料:奥田建築事務所)

 今後、同社は、意匠、構造、設備を1枚の図面にまとめた「総合図」をBIMモデルで作成することにもチャレンジする予定です。そして新しいビジネスチャンスの開拓にも乗り出そうとしています。