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BIM仮想コンペの手法で仮設住宅のニーズを満たす

 一方、 被災地を支援する「シーズ」として建設分野での代表的なものは仮設住宅の供給だ。海外からBIMやグーグルアースといったITを武器に、被災地の仮設住宅村を設計しようと思い立った米国カリフォルニア州在住の建築家、キモン・オーヌマ氏の取り組みを「米建築家が提案!BIM仮想コンペの手法で国際支援を」の記事をベースに紹介した。

 被災地にいる専門家のアドバイスを得ながら、海外の専門家とネット上で協働することにより、被災地のニーズに合った仮設住宅の計画を作ることができた事例は、これからの建築における新しいボランティアやビジネスを切り開くうえでのヒントになると思ったからだ。

キモン・オーヌマ氏の呼びかけで結成されたチームメンバー(上段左)。日本からのアドバイスで改良した設計(上段右)。グーグルアース上で建設予定地を探し、仮設住宅村を設置(下段左)。日本に空輸し、被災地に建設したドーム型住宅(下段右)(資料:キモン・オーヌマ氏ほか)

 最後に「ITと海外生産で、早い・安い・快適な仮設住宅を」の記事で紹介した吉村靖孝氏の「エクスコンテナ・プロジェクト」を紹介した。海上輸送コンテナという国際的な規格に従って仮設住宅を提供し、さらには恒久的な住宅に転用する構想は、世界のシーズを結集できる方法と考えたからだ

吉村靖孝氏による「エクス・コンテナプロジェクト」(資料:吉村靖孝氏)