属性情報の有効活用が建設業界を変える原動力に
「BIMの重要な価値は図面の電子化ではない。データベースであるということだ。BIMソフトがデータベースを作り、他のツールがそのデータを読んで新しい価値を創造する。そのデータベースはどこにでも持ち運びでき、コンピューターで読むことができる。BIMモデルの“属性情報”を有効に利用することが、建設業界や建物管理業界の変革を後押しする原動力だ」とジョーンズ氏は指摘する。
従来のCAD図面は、単に線と文字の集合体だった。部材の干渉チェックから、見積もり・積算、法規との整合性チェック、エネルギー計算、そして工程計画までを、CADデータを利用することなく、別々に人間の手によって行わなければならなかった。
一方、BIMモデルのデータを読み書きできる様々なソフトウエアを利用すれば、先に述べた干渉チェックから工程計画までを、コンピューターの力を最大限に生かしてスムーズに処理できるため、業務効率は大幅に高まる。
「つまり、BIMとは建設プロジェクトの情報の基になる『DNA』のようなものだ。その情報は建物のライフサイクル全体で生き続け、ツールや建物関係者が利用できる。そして生き物のように成長するものなのだ」(ジョーンズ氏)