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 BIMの普及とともに、3Dプリンターを持つ建築設計事務所や建設会社が増えているようだ。日建設計や前田建設工業では、設計にはBIM対応の3次元CADを導入している。その設計データに少し手を加えて模型作成用のデータに変換すると、複雑な曲面を持つ建物の模型でも、3Dプリンターが自由自在に作ってくれるのだ。

 今年7月に、東京・大崎駅前に開業するソニーシティ大崎。ソニーや同社のグループ会社の社員約5000人が入居予定のオフィスビルだ。このビルの外装材に採用された「バイオスキン」は、陶器製の管の内側に雨水を通し、にじみ出る水分が蒸発する際の気化熱でビルの周囲を冷却するものだ。

 ソニーシティ大崎を設計した日建設計は、このバイオスキンの取り付け位置や、躯体の構造などを詳細に検討するため、3Dプリンターで模型を作成した。石こう系の材料を基に作成した模型は、別々に造形した部材を組み合わせたもので、自動的に着色されている。

3Dプリンターで作成したバイオスキンの模型(写真:家入龍太)

施工中のソニーシティ大崎(左)と模型の作成に使った3Dプリンター(写真:家入龍太)

 前田建設工業建築設計第1部BIM推進グループチーム長の綱川隆司氏は、3Dプリンターで400分の1スケールのビル模型を造った。使用したのはABS樹脂の材料を使うタイプの3Dプリンターだ。詳細な模型にするため、各部分を造形した後、プラモデルのように組み立てた。

 この模型は、同社が使用している3Dプリンター販売会社の依頼で作成したもので、「第22回設計・製造ソリューション展」(2011年6月22日~24日、東京ビッグサイト)で展示された。

プラモデルのように分けて造形した建物模型の部品(左)。模型の作成に使った3Dプリンター(左写真:綱川隆司氏、右写真:家入龍太)

組み立て作業風景(左)。完成した詳細な模型(写真:綱川隆司氏)

 「3Dプリンターを導入した当初は建築模型として小さいスケールのものを中心に作っていた。最近はディテールまでBIMで設計するようになったため、大きなスケールでカットモデルを作ることも多い。3Dプリンターの魅力は精細さだと思う」と綱川氏は語る。