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 東日本大震災の際に発生した巨大津波は、安全と言われてきた鉄筋コンクリートの建物を破壊したり転倒させたりする大きな被害をもたらした。各自治体などでは、これまで想定していた津波の高さや浸水範囲を見直す動きが出ている。

 こうした背景を受けて、コンサルタントやソフトウエアベンダーなどは、津波解析の受託業務に力を入れ始めた。

 土木設計や防災関係のソフトを開発・販売するほか、各種の受託解析業務を行っているフォーラムエイトは、数年前から自治体向けにソフトや解析・シミュレーションサービスを提供する「自治体ソリューション」の中に、津波解析を盛り込んでいる。

 東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センターの今村文彦研究室が開発した津波解析コードと、フォーラムエイトの流体解析ソフトを組み合わせて津波の解析を行うものだ。

 将来発生する津波による浸水範囲や浸水高さを予測するほか、構造物に作用する波力や漂流物の移動、地域内の波高や速度を計算し、津波の高さ分布図などを作成する。

 津波解析サービスを担当するフォーラムエイトUC-1開発第1グループ主事補の羽田誠氏は「大震災後、津波解析コードをスーパーコンピューターで稼働するように準備している」と、同サービスの強化について説明する。

 同社は神戸市にある計算科学振興財団が持つスーパーコンピューター「FOCUSスパコン」を利用して様々な計算処理を行う「スパコンクラウドサービス」を2011年6月に始めた。津波解析サービスもこのスパコンを使う予定だ。

チリ沖で発生した津波の伝搬シミュレーション(資料:今村文彦氏)

津波の浸水状況の可視化(左)と浸水域の推定(右)(資料:フォーラムエイト)

バーチャルリアリティーによる津波挙動の可視化(資料:フォーラムエイト)

 構造計画研究所でも津波解析コンサルティングサービスを用意している。同社が蓄積してきた流体解析技術と数値シミュレーションにより、津波の波高や到達時間、陸上への遡上(そじょう)範囲の特定などを評価できる。

四国沖で発生した津波の伝搬過程シミュレーション(資料:構造計画研究所)