「ルンバ」のようなロボットで室内を自動計測
次にスワート氏が取り出したのは、円盤形のロボットだった。家庭などで使うiRobot社の家庭用掃除ロボット「ルンバ」とそっくりのものだが、実は同社が教育や趣味などの用途に発売している「iRobot Create」というロボットだった。
iRobot Createは、いわば移動ロボットの「ペースマシン」で、走行や制御などを受け持つ基本機能をあらかじめ組み立ててある。そして、走行や制御のプログラムを自作できるようになっている。この上にセンサーやカメラ、物体をつかむ装置などを付け加えて、様々なロボットを手軽に作れるものだ。
スワート氏は、このベースマシンにKinectを搭載した「TurtleBot」というロボットについて紹介した。家の中を自動的に走行しながら、間取り図を自動作成したり、パノラマ写真を撮ったりできるものだ。
間取り図の作成には、「SLAM(Simultaneous Location and Mapping)」という、計測と同時に形状データを作成する技術を用いている。
TurtleBotは、ロボット開発者が、研究成果などを持ち寄り、公開しているROS(Robot Operating System)というサイトで公開されているオープンソースの「TurtleBot SDK」というソフト開発キットを基に作られた。
スワート氏は「Kinect、iRobot Createとも、それぞれ150ドル(約1万2000円)程度で、簡単に入手できる。様々な用途のロボットが簡単に開発できる時代になった」と語る。