ITが可能にする空調の“ギリギリ制御”
これだけ高効率の空調・照明機器を導入しても、それだけではエネルギー削減率40%という目標は達成できない。目標を達成できるかどうかは、完成後、機器の省エネ運転をいかにうまく行うかにかかっている。これには、自動制御と各社員による制御の両方が必要だ。
スパンごとに空調や照明を効率的に運用するため、人感センサーなどの情報を活用したり、日射状況によって冷房と照明を制御したりする「空調・照明統合制御システム」を稼働させる。
各社員のパソコンには、自席から照明や空調を制御し、スパンごとのエネルギー使用量を確認できる「ソフトリモコン」をインストールして、空調や照明をこまめにオンオフして無駄な運転を排除するほか、省エネルギー意識を高める。
こうした空調の“ギリギリ制御”による省エネを実現する一方、夏場に外出先から帰ったばかりで暑いと感じる社員には短時間だけ冷房を強化し、落ち着いたころで標準的な温度に戻すというように満足度を犠牲にしない配慮も行う予定だ。
今回の工事で、同社は8件の特許を申請した。省エネ改修工事は9月で終了し、10月から新しい設備による本格運転が始まる。この古いビルで果たしてエネルギー削減率40%を実現できるのか。最新の設備・機器と、省エネ運転技術、そして社員全員の協力という三拍子がそろえば、目標を達成できると同社では見積もっている。
●出願中の特許
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<訂正>初出時、1ページ目本文と写真キャプションで「ザ・自由設計」と表記していましたが、「ザ・自由雪計」と訂正しました。(2011年8月24日20時10分)