PR

BIMのメリット、フロントローディングを施主も理解

 建物のBIMモデルや3次元モデルを、iPadやアンドロイド端末など、一般にもなじみ深く、機動力のある機器で自由自在に閲覧できるようになると、BIMのデータが設計室から一般社会へと飛び出し、利用者数が急増する。

 するとBIMの分かりやすさを通じて、建築プロジェクトに主体的に参画する面白さを感じる施主や一般の市民も増えるだろう。

 これまでの図面による設計の説明やプレゼンテーションでは、工事が始まり、完成が近づいてから施主や設計者が問題に気づき、手遅れとあきらめたり、工事の手直しを行ったりと不合理なことが多かった。

 BIMのメリットは、「フロントローディング(設計業務の前倒し)」効果により、手直しのコストが発生しないうちに検討・解決できることだ。さらに、BIMモデルが身近な端末で閲覧できるようになれば、フロントローディングに対する施主の理解や協力を高めることにもつながる。

 建設業界以外の人々をBIMによる生産システムに参画させることで、建設業の生産性向上を実現させることができる。そのために、今回紹介した「BIMx」や「XVL」、「3Dプレイス」といったシステムが普及することは、重要な意味を持っている。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。 家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/ツイッターやfacebookでも発言している。