行動を分析し、評価レポートも作成

 事故発生後の訓練生の行動は、カメラやSCADAのデータとともに記録し、訓練後で分析し評価レポートも出力される。トンネル管理者の判断や措置が適切だったかどうか、改善すべき点はなかったかなどを、その時点に戻って検証できるのだ。

 実際の事故では、「あのとき、こんな行動をとっていれば犠牲者は最小限で済んだのに」と嘆いても時間は戻ってこない。しかし、このシステムでは訓練の結果を分析し、明らかになった反省点を踏まえて、トンネル管理者の行動を改善していくことができる。

評価レポートの例。表の左欄は訓練生の行動、中央欄は訓練生がとるべき行動、右欄は訓練生がとった行動を時系列で記録したもの(資料:BMIA社)
評価レポートの例。表の左欄は訓練生の行動、中央欄は訓練生がとるべき行動、右欄は訓練生がとった行動を時系列で記録したもの(資料:BMIA社)

 BMIA社の代表を務めるフィリップ・マッソー(Philipe Marsaud)氏は地元、ボルドーの出身。パリのエンジニアリングスクールで学んだ後、石油開発やロボティックスなどの技術者を務めたほか、トンネルの改修やトンネルを統括管理するSCADAシステムの開発などを行ってきた。

 その後、マッソー氏はトンネルのシミュレーションシステムを開発するため、妻と共同でボルドーにBMIA社を設立。トンネル内の電光掲示板の表示や車線規制、障害物、カメラ、点滅灯や交通信号、非常照明やトンネル内照明などをシミュレーションする様々なソフトを開発してきた。

 G’VALシステムは、その集大成とも言えるものだ。各ソフトで生成されたデータをVR技術によってリアルタイムに可視化するプラットフォームとしてフォーラムエイトのVRシステム「UC-win/Road」を使用している。

G’VALシステムのシステム構成図。UC-win/Roadと各システムがソフト開発キット(SDK)によって連携するようになっている(資料:BMIA社)
G’VALシステムのシステム構成図。UC-win/Roadと各システムがソフト開発キット(SDK)によって連携するようになっている(資料:BMIA社)

 フォーラムエイトは、英国・ロンドン事務所の総支配人、ブレンダン・ハファティー(Brendan P Harfferty)氏や、宮崎支社でVR開発テクニカル・マネージャを務めるヨアン・ペンクレアシュ(Yoann Pencreach)氏が、BMIA社に対し、技術サポートや関連する情報提供など行い、システムの開発に協力してきた。

BMIA社のオフィスで開発スタッフへのアドバイスを行うフォーラムエイトのヨアン・ペンクレアシュ氏(右端)とブレンダン・ハファティー氏(右から2人目)(写真:家入龍太)
BMIA社のオフィスで開発スタッフへのアドバイスを行うフォーラムエイトのヨアン・ペンクレアシュ氏(右端)とブレンダン・ハファティー氏(右から2人目)(写真:家入龍太)