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設備同士の干渉はリアルタイムに解決

 週に1回、竹中工務店と設備会社が集まり、合同確認会を開いて各設備の取り合いや干渉部分の解決方向性、重大な課題の共有などを行った。

 「最初は講義形式でテーブルを並べ、パソコンとスクリーンを使って行っていたが、会議が活性化しなかった。そこでフロアごとにリーダーを決めてテーブルを分け、紙図面も併用してグループワーク形式に変えたところ、メンバーが主体的に議論するようになった」と、竹中工務店東京本店作業所設備担当の三戸英明課長は説明する。

初期の講義形式による合同確認会(写真・資料:竹中工務店)
初期の講義形式による合同確認会(写真・資料:竹中工務店)

改善後のグループワーク方式(写真・資料:竹中工務店)
改善後のグループワーク方式(写真・資料:竹中工務店)

 設備同士が干渉した時に、どちらの設備が避けるかという問題は原則となる優先順位を決めた。排水管のように一定の勾配を確保する必要のある設備は1位、続いて冷温水管や給水管、そして大物ダクト、といった順序だ。

 また、メンテナンスの頻度が高い電気設備は下に配置し、火災時に室内全体に散水する必要のあるスプリンクラーは一番上というように、上下方向にも空間を分けた。こうした原則に従って各社は設計を進めた。

高さごとに各設備が整然と配置された機械室(写真:家入龍太)
高さごとに各設備が整然と配置された機械室(写真:家入龍太)

 干渉問題が特に多かったのは、免震装置を付けた地下1階の設備だ。無数の空調、衛生、電気の配管・ダクト類や免震装置、可動式継ぎ手などが3次元的にひしめいている。さらに地震時に上下階に水平変位が生じた時、干渉する部分を手作業でもれなく発見することは非常に難しい。

 そこで3次元CADの干渉チェック機能を使い、干渉部分を探し出した。「1回目の調整会議では、5210カ所もの干渉部分が見つかった。その後、上下階の支持部材をずらすなどの設計修正と会議を繰り返した結果、5回目で干渉がゼロになった」と三戸氏は説明する。こうした3次元CADによる干渉チェックは、すべての階で行った。

3次元CADによる干渉チェック。干渉部分が黄色で表示されている(資料:竹中工務店)
3次元CADによる干渉チェック。干渉部分が黄色で表示されている(資料:竹中工務店)

干渉を調整した後の免震階の設備(資料:竹中工務店)
干渉を調整した後の免震階の設備(資料:竹中工務店)