PR

タブレット端末と3次元CADを検査に利用

 さらなる品質の向上と、短工期化を目指す上で課題となったのは工事の検査記録書を作成する方法だ。

 設備工事では漏水がよく問題になる。これまでは配管をブロックに分けて閉めきり、水圧をかけて水漏れや亀裂、変形などの有無を確認しながら、手書きで野帳を作成したり、記録写真を撮影したりしていた。そして事務所に戻ってから検査記録書を作成した。

 従来のように手作業で記録書を作っていると、膨大な時間がかかる。さらに記載ミスや記入漏れなどの問題や検査がどこまで進んでいるのかを管理するのが困難だ。

 そこで、3次元CADで作成した設備モデルの情報を活用した検査記録書作成支援システムを開発した。これにより、検査記録書の作成時間を短縮するとともに、検査の進ちょく状況を可視化するのが狙いだ。

 そこで使用したのがオンキヨー製のカメラ付きタブレット型パソコンだった。Windowsで動作する機種だ。設備の3次元データを検査記録書作成ソフトに読み込むと検査帳票を自動的に作成する。検査時に測定値のデータを現場で入力し、検査時の写真をタブレット型パソコンで撮影すると、その場で写真データ付きの検査報告記録書のPDFデータが出来上がる仕組みだ。

タブレット型パソコンによる水圧試験の結果入力(資料:竹中工務店)
タブレット型パソコンによる水圧試験の結果入力(資料:竹中工務店)

検査記録書の作成手順(資料:竹中工務店)
検査記録書の作成手順(資料:竹中工務店)

 現場事務所に戻ってからタブレット型パソコンのデータを設備の3次元データにフィードバックすると、現在、どの部分まで検査が終わったのかが把握できる。

 「このシステムのおかげで、現場事務所での記録書作成作業はほとんどなくなり、検査に要する時間を58%も減らすことができた。書類の作成ミスや進ちょく状況の可視化により、管理も確実になった」と三戸氏は説明する。

3次元モデル上に色分けで表示した検査の進ちょく状況(資料:竹中工務店)
3次元モデル上に色分けで表示した検査の進ちょく状況(資料:竹中工務店)

 3次元モデルの形状だけでなく、属性情報も含めて検査に使ったのは、BIMらしい活用と言えるだろう。