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時速50kmでトンネル覆工状態を記録

 計測検査(本社:北九州市)は、三菱電機と共同で 「MIMM(ミーム)」というトンネル点検専用車両を開発した。建設コンサルタントなどから依頼される覆工の展開図作成作業などを効率化するためだ。

 車両にはトンネルの覆工面のカラー画像を撮影する「MIS(Mobile Imaging Technology System)ユニット」と、覆工面の形状を3次元レーザースキャナーで計測する「MMS(Mobile Mapping System)」が搭載されている。時速50kmで走行しながら覆工面を詳細に記録できるので、トンネルの通行止めや交通規制は必要ない。

トンネル点検専用車両「MIMM(ミーム)」(写真:計測検査)
トンネル点検専用車両「MIMM(ミーム)」(写真:計測検査)

ミームに搭載された機器類(資料:計測検査)
ミームに搭載された機器類(資料:計測検査)

 これらのデータを計測検査の事務所に持ち帰り、女性を中心とした数十人のスタッフが手分けしてトンネル覆工の展開図を作成する。スタッフは土木技術者ではないものの、MISで撮影したカラー画像からは漏水個所や変色、幅0.2mm以上のひび割れを見つけ、丁寧に印を付けていく。この作業には、画像処理技術も活用する。また、MMSによって計測した3次元形状データからは断面形状や表面変状などの資料を作成できる。

 こうして、変状が疑われる部分に印を付けた展開図や覆工形状などのデータは、建設コンサルタントに納品され、専門技術者の目によってさらに問題のある個所を絞り込む仕組みだ。トンネル覆工全体をざっと見て、変状を発見するまでの作業を計測検査の女性スタッフが受け持ち、その後の技術的な判断を専門技術者担当するという分業を行っているのだ。

MISによって撮影した覆工面の写真(写真、資料:計測検査)
MMSで計測したトンネル覆工面の3次元形状(写真、資料:計測検査)
MISによって撮影した覆工面の写真(左)と、MMSで計測したトンネル覆工面の3次元形状(右)(写真、資料:計測検査)

 計測検査構造調査部の舛添和久部長は「従来の目視による調査方法に比べて積算上のコストは2~3割安くなる。正確なデータが取れるので、補修工事の積算なども楽になる。一度、このシステムを使ってくれた顧客は必ずファンになってくれる」と語る。

 MIMMは国土交通省近畿地方整備局が2006年度から2008年度に産官学で行った新都市社会技術融合創造セミナー(委員長:大西有三 京都大学副学長)「トンネル健全性評価プロジェクト」の成果を具現化したものだ。2010年8月に近畿地整で発表会を行った後、実務で稼働している。2011年9月から2012年1月だけでも、約50kmのトンネルを計測した実績がある。