支店間でBIMの“QCサークル活動”も
清水建設の支店は3つのグループに分かれている。千葉支店は北海道支店、東北支店、北陸支店、大阪支店と同じグループに属しており、このグループの支店が回り持ちで開催する小集団活動を通じて、BIMの活用ノウハウを他支店とも共有している。
その結果、東北支店や北陸支店でも新規物件は100%施工図作成にBIMを活用しているという。「小集団活動には、若手の社員もどんどん参加させるようにしている。他支店の若手社員とのインフォーマルな交流による情報交換を通じて、BIM活用のノウハウ共有が進み、よい結果につながっている」と室井氏は語る。
日本におけるBIMは、“日本のBIM元年”と言われた2009年以来、意匠設計を中心に普及が進んできたという面があるのは確かだ。しかし、清水建設千葉支店は、それより6年も前から3次元CADをBIMとして活用し、施工業務の効率化に取り組んできた。そして、設計施工一貫の建物では、本社の設計部門ともBIMの連携を行いながら、意匠設計から施工、そして工場での部材製作までBIMモデルを生かしたワークフローが実現しつつある。
これは、建設と建材の連携がBIMによってより進んできたことを意味する。BIMによる本格的な生産性向上が、いよいよ見えてきたと言えそうだ。

家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/。ツイッターやfacebookでも発言している。