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CADやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの設計ソフトのデータを基に工作する「デジタルファブリケーション」が身近になってきた。来店客が自由に使えるレーザーカッターを備えたカフェが注目を集めているほか、5万円台で買える3Dプリンターのキットが登場した。また、デジタル写真から3Dモデルを自動的に作成するクラウドサービスも人気を集めている。

 3月7日に東京・渋谷に開店したデジタルものづくりカフェ「FabCafe(ファブカフェ)」。このカフェの集客装置は、来店客が自由に使える「レーザーカッター」だ。

 レーザーカッターとは、CADなどのデザインソフトで描いた図形通りに、アクリルや木材などを極細のレーザー光線によって切断したり彫刻を施したりする工作機械のこと。細かい部材を正確に切り抜いたり、テクスチャーを付けたりできるため、最近は建築模型の作成にもよく使われている。

 最近、レーザーカッターや3Dプリンターなど、高価なデジタル工作機械を手軽に使えるようにした「FabLab」という施設が世界各地に誕生している。「Fab」には、ものづくり(Fabrication)を楽しむ(Fabulous)という2つの意味が込められているという。FabCafeは「”FAB”スピリットを楽しく、おいしく、わかりやすく伝える場所」としてオープンした。

加工用データを持参すれば30分2000円で使用可能

 FabCafeの店内には、黄色いレーザーカッター(UNIVERSAL LASER SYSTEM VLS6.60。加工サイズは813 × 457mm まで)が置かれている。そして、加工用の素材としてアクリル板や合板、紙、ノート(500円~)、スマートフォン「iPhone」のケース(3900円~)などを販売している。

店内に設置する前のレーザーカッター(写真:FabCafe)
店内に設置する前のレーザーカッター(写真:FabCafe)

 来店客がレーザーカッターを使いたいときは、30分単位で使える「Fabチケット」を購入する。最大3人で共有しながら使う「Fab Fun」が2000円、1人で占有できる「Fab Geek」が5000円でそれぞれドリンクが付いている。

 加工用のデータはCADやデザインソフトなどで作ったものを、「Adobe Illustrator形式」のファイルに変換し、USBメモリーなどに入れて店に持参する。切断線は「赤色」、彫刻する面は「緑」に色分けし、切断用と彫刻用で別々のレイヤー分けを行う。

レーザーカッターによる加工例。左からWhat Do You Fabシリーズ、A World in A Sheet シリーズ、FabCafe オリジナルシリーズ(写真:FabCafe)
レーザーカッターによる加工例。左からWhat Do You Fabシリーズ、A World in A Sheet シリーズ、FabCafe オリジナルシリーズ(写真:FabCafe)

 Facebook上に開設した同店の公式ページには、レーザーカッターで来店客が作ったオリジナルノートや知育パズル、彫刻入りのiPhoneケース、レザーのコインケースなどの作品が、写真とコメント付きで毎日何度も紹介されている。建築家やデザイナーも、建築模型の作成などでレーザーカッターを使いたいとき、気軽に利用価できそうだ。

Facebook上に開設されたFabCafeの公式ページ。来店客がレーザーカッターで作った作品が随時、掲載されている(資料:FabCafe)
Facebook上に開設されたFabCafeの公式ページ。来店客がレーザーカッターで作った作品が随時、掲載されている(資料:FabCafe)

 FabCafeはテレビやラジオなどのマスコミやネットでも大きな注目を集め、たびたび取材を受けていることもあってか、開店から9営業日目の3月16日には、早くも来店客が累計1000人を超えるほどの人気だ。

 Fab cafeを開設したのは、Webサイト制作のロフトワークと、トリプルセブン・インタラクティブの福田敏也氏が共同で立ち上げたFabCafe LLPだ。トータルプロデュースは広告の専門家である福田敏也氏とロフトワーク代表取締役社長の諏訪光洋氏、同代表取締役の林千晶氏が担当。空間デザインは若手建築家として注目されている成瀬友梨氏と猪熊純氏が手がけた。またグラフィックデザインとプロダクトデザインは、大場なな氏、大野友資氏などが担当した。