「公開から2年足らずで700万人ユーザーを獲得」

 オートデスクでは2年前、こうしたシフトを予測して、様々なクラウドコンピューティングのサービスを開発し始めた。その成果の一つが、クラウド上で建物などの3次元モデルから高品質なコンピューター・グラフィックス(CG)を作成する「クラウドレンダリングサービス」だ。このサービスを6カ月前に公開したところ、既に数十万件の利用があり、レンダリング処理を行うCPUの稼働時間(コア・アワー)も延べ数百万時間に上っている。ものすごい反響だった。

 シミュレーションや解析などのデータ処理サービスをクラウド上で提供する「オートデスク360」というサービスは既に200万人が利用した。また、クラウド上で利用できる汎用CAD「AutoCAD WS」は公開から2年もたたないうちに、700万人のユーザーを獲得した。

 オートデスクは2012年で30周年を迎える。この期間に獲得したユーザーは約1200万人だ。これに対して、AutoCAD WSは2年足らずで700万ユーザーに達した。クラウドサービスのユーザー数の増加は驚異的だと言える。これは人々の働く方法が変わっていく兆候を現している。

 しかも、AutoCAD WSのユーザーはサービスを試してみただけではなく、アンドロイド端末やiPad、そしてウェブブラウザーを介して実際にサービスを使っているのだ。AutoCAD WSのクラウドサーバーには毎週30万ものCADファイルがアップロードされている。これは1時間当たり1800ファイル、1分間当たり30ファイルに相当する数だ。信じられないくらいのユーザーが、現実にクラウドベースのCADを使っているのだ。

米国や日本から集まった報道陣(写真:家入龍太)
米国や日本から集まった報道陣(写真:家入龍太)