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米国のサンフランシスコ州立大学に通う小林思保美さんの夢は、米国でインテリアデザイナーとして活躍することだ。当初、声優を目指して渡米したものの、厳しい現実を目の当たりにし、専攻をインテリアデザインに変えた。その転機になったのは、BIMのインストラクターや、祖父の建築設計事務所でCADソフトのオペレーターをしている母、美砂子さんの生き方とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)との出会いだった。

サンフランシスコの下宿でBIMの課題に取り組む小林思保美さん(写真:家入龍太)
サンフランシスコの下宿でBIMの課題に取り組む小林思保美さん(写真:家入龍太)

 米国カリフォルニア州サンフランシスコの中心街に住む小林思保美さんは、大阪・豊中市で育った。現在はサンフランシスコ州立大学の4年生で、インテリアデザインを専攻している。将来の夢は、米国でインテリアデザイナーとして活躍することだ。

 バッグにしのばせたノートパソコンには、「Revit Architecture(以下、Revit)」など数本のBIM関連ソフトがインストールされている。「SOMやHOK、ゲンスラーなど米国の大手建築設計事務所では、インターンシップの募集要項でさえも『BIMや3次元ソフトの基本的なスキルがあること』と書かれています。まして就職となると、基本だけではダメでしょう。小さな設計事務所でも先進的なデザインを売りにしているところは『Revitは必須』と書いてあったりします」と思保美さんは米国の設計事務所の就職事情を語る。

 しかし、思保美さんが通う大学では、夏休みにソフトベンダーが開催する有料の特別講座などを除いてBIMの授業はない。大学のカリキュラムは、大手建築設計事務所に就職するために必要なスキルに特化したものではなく、どちらかというと個人事務所を経営することを目指した幅広い内容になっているという。

 そこで、大学に通うだけでなく、近くのコミュニティーカレッジで開講しているRevitの授業を96時間ほど受けている。建築設計とインテリアデザインをダイレクトに連携できるBIMのスキルを高めて、就職活動の際の差別化の武器にしたいという思いから、あえてRevitにこだわっているのだ。

さらに、来年5月の大学卒業までに、オートデスクのRevit認定資格や、米国の環境建築指標である「LEED」の資格であるLEED APの取得にもチャレンジしていきたいと考えている。米国の企業に就職するため、分かりやすい形で自分を売り込むためだ。

大学近くのコミュニティーカレッジで開講されるRevitの授業(写真:小林思保美)
大学近くのコミュニティーカレッジで開講されるRevitの授業(写真:小林思保美)

 サンフランシスコ州立大学のインテリアデザイン教育は、昔ながらのT定規や製図板を使った実習があるなど、伝統的な修練の要素が色濃く残っている。「ハンドレンダリング」という実習はその一例だ。微妙な陰影や色使いによって描かれた絵を、そっくりそのまま筆と絵の具で模写するという課題だ。1枚仕上げるのに30時間はかかり、徹夜することもしばしばだ。「クラスメートたちとは、忍耐力を養うため、根性を養うためにこの実習があると話している」と思保美さんは笑う。

 そんな中、2012年1月からコミュニティーカレッジで学び始めたBIMは、大学でも役に立っている。建物の内外装のデザインを行う課題で、BIMソフトでパースや図面などを作り、プレゼンテーションボードにまとめて提出したのだ。BIMを見慣れていない大学の先生やクラスメートからは、その出来映えに称賛の声が上がった。思保美さんにとって、BIMはもはやデザインに欠かせないツールになっている。

微妙な陰影のある絵を模写する「ハンドレンダリング」の課題(写真:家入龍太)
BIMソフトで仕上げた大学の課題(写真:家入龍太)

微妙な陰影のある絵を模写する「ハンドレンダリング」の課題(左)。BIMソフトで仕上げた大学の課題(写真:家入龍太)
サンフランシスコ州立大学インテリアデザイン学科でのキャンパスライフ(写真:家入龍太)
サンフランシスコ州立大学インテリアデザイン学科でのキャンパスライフ(写真:家入龍太)

サンフランシスコ州立大学インテリアデザイン学科でのキャンパスライフ(写真:家入龍太)
サンフランシスコ州立大学インテリアデザイン学科でのキャンパスライフ(写真:家入龍太)

サンフランシスコ州立大学インテリアデザイン学科でのキャンパスライフ(写真:家入龍太)