現場「見える化」システム:ARで現場を“見える化”する維持管理アプリ

 iPhoneやAndroidなどの携帯端末向けに作られた「セカイカメラ」という人気のアプリがある。付近のビルなどを携帯端末のカメラを通して見ると飲食店などの名前やお勧めのメニューなどの情報がビルに重なって見えるというもので、AR(拡張現実感)の技術を使った代表的なアプリの一つだ。

 日立ソリューションズは、これと似たような方法で維持管理業務が行える「現場『見える化』システム」というアプリを、Android端末用に開発した。セカイカメラと同様に、端末内蔵のカメラで見た現場映像の上に、維持管理用の情報を重ねて表示できるようにしたものだ。

 端末に搭載されたGPS(全地球測位システム)の情報からカメラの位置や方向を割り出し、GIS(地理情報システム)上に位置を表示するとともに、AR技術を使って現場の映像と維持管理情報を重ねて表示するのが特徴だ。

「現場『見える化』システム」の画面(資料:日立ソリューションズ)
「現場『見える化』システム」の画面(資料:日立ソリューションズ)

 現場では情報の表示だけでなく、管理対象物に関するメモや画像、動画も端末を通じて業務システムのサーバーに入力できる。作業記録のほか、作業現場で感じた気づきなども手軽に入力できるので、詳細な情報が収集しやすくなる。

 入力された現場の情報や作業の進ちょく状況は、本部や他の現場とリアルタイムで共有できる。そのため、作業現場と本部が連携しながら、設備管理や営業活動、地域の情報収集、物件調査業務などで組織的な判断や対応を迅速に行える。

現場『見える化』システム」の概要(資料:日立ソリューションズ)
現場『見える化』システム」の概要(資料:日立ソリューションズ)

 例えば、電柱などの屋外設備の維持管理業務にこのシステムを活用すると、設備管理台帳を持ち出さずに済むほか、管理対象となる電柱の図面や詳細情報をAndroid端末から確認できるので、作業に集中できる。

 修繕後の写真や作業報告書の登録も同じ画面上で行えるので、報告書作成の作業負担が減り、設備管理業務を効率化できる。

 現場の画像と管理情報が自動連係すると、図面の照合ミスや入力ミスも少なくなり、生産性も高まりそうだ。

樹木管理業務での使用例(資料:日立ソリューションズ)
樹木管理業務での使用例(資料:日立ソリューションズ)

電力会社の設備の保守点検に使用したイメージ(資料:日立ソリューションズ)
電力会社の設備の保守点検に使用したイメージ(資料:日立ソリューションズ)

 利用に際してはAndroid端末ライセンス価格として1端末当たり3万1500円(税込み)が必要だ。このほか、GISシステムとして同社が独自開発した「GeoMation」が別途必要になる。GeoMationの価格は20ユーザー、標準的な地図データ代込みで約1000万円だ。

GISには「GeoMation」を使用している(資料:日立ソリューションズ)
GISには「GeoMation」を使用している(資料:日立ソリューションズ)