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国土交通省の大槻泰士氏は、2012年1月から6月まで米国連邦調達庁(GSA)で短期研修を行っている。その目的は公共発注者としてのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を実務で体験することだ。半年間の滞在にもかかわらず、既に大槻氏の署名入り記事が米国のBIM専門誌に掲載されるなどの成果も上げた。国交省職員による“米国流BIM”の習得は、発注者によるBIM活用を進化させる可能性がある。


 米建築科学研究所(NIBS)が発行する無料のBIM専門誌「Journal of Building Information Modeling」2012年春号に、1人の日本人の名前が載っている。米国連邦調達庁(GSA)で2012年1月から6月まで短期研修中の国土交通省官庁営繕部職員の大槻泰士氏だ。

 「建物オーナーの視点から見たBIMとファシリティーマネジメント(An Owner’s Perspective on BIM and Facility Management)」と題した記事には、ペギー・イー(Peggy Yee)氏、カルビン・カム氏(Calvin Kam)、そしてチャールズ・マッタ氏(Charles Matta)というGSAでBIMの活用を推進する3人の専門家たちとの連名で、大槻氏の名前が著者としてクレジットされている。

著者として大槻泰士氏の名前が掲載されたBIM専門誌の記事(資料:NIBS)
著者として大槻泰士氏の名前が掲載されたBIM専門誌の記事(資料:NIBS)

GSAの期待に応えBIMガイドのポイントを整理

 この記事を作成するために重要な役割を果たしたのは、大槻氏だ。GSAが2011年12月に発刊したBIMガイド第8巻「ファシリティーマネジメント」の骨子を2ページで紹介するため、全82ページから主要部分をまとめる作業を任されたのだ。

 大槻氏はこのBIMガイドを読みこなした。そしてファシリティーマネジメント(以下、FM)にBIMが有効な理由、FMへのBIMを導入に必要なこと、建物ライフサイクルを通じてデータを管理するための課題などのポイントをまとめ、記事執筆のための基礎資料を作った。

 「ガイドラインを書くために議論を繰り返した我々と違い、大槻氏はBIMガイドの内容を客観的に俯瞰(ふかん)できる立場にある。彼にはBIMガイドの中から重要と思うところを抜き出してもらった」と、GSAでの同僚であるペギー・イー氏は語る。

ペギー・イー氏(左)と大槻泰士氏(右)。GSAビルの屋上で(写真:家入龍太)
ペギー・イー氏(左)と大槻泰士氏(右)。GSAビルの屋上で(写真:家入龍太)