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未導入の発注者もBIM活用には前向き

 土木のBIMが普及しつつある一方、非ユーザーもまだ多い。その内訳をみると発注者が74%と最も多い結果となった。

 しかし、非ユーザーの発注者もBIM活用には前向きで、「BIM活用を前向きに考えている」「BIMは役に立つと信じている」「積極的に評価している」と答えた回答者が合計79%にも達した。そして「BIMを試してみたが使わないことにした」という発注者はゼロだった。

土木分野でBIMを使っていないのは発注者(Owner)が一番多かった(資料:McGraw-Hill Construction)
土木分野でBIMを使っていないのは発注者(Owner)が一番多かった(資料:McGraw-Hill Construction)

日本の土木分野でもBIMによる生産性向上を

 日本の社会インフラはこれから本格的なメンテナンス時代を迎える。高度成長期に建設された橋、ダム、港湾などが50年を経過し、急速に劣化しているからだ。一方、2010年度の国と地方を合わせた公共事業費は8.3兆円のうち、更新費(0.9兆円)と維持管理費(3.3兆円)で、既に50%を占める状態になっている。

 講演を終えたジョーンズ氏は、「日本でも土木のBIMに対する関心が高まっていると聞いている。米国における土木のBIM活用の実態に興味があれば、日本に行って講演したい」と語った。

講演を終えたジョーンズ氏。「米国における土木のBIM活用に興味があれば、日本に行って講演したい」と話した(写真:家入龍太)
講演を終えたジョーンズ氏。「米国における土木のBIM活用に興味があれば、日本に行って講演したい」と話した(写真:家入龍太)

 限られた予算とスタッフで、既存の社会インフラをメンテナンスしていくためには、作業の生産性を大幅に高める必要がある。そのため、日本でも「土木のBIM」や「CIM(Construction Information Modeling)」などと呼び方は様々だが、土木分野でもBIMを導入し、生産性向上を高める必要性が叫ばれ始めている。

 建築分野でも、数年前までBIMはほとんど普及していなかったが、 “日本のBIM元年”と呼ばれる2009年ごろを境に、急速に普及が進みつつある。土木分野は国土交通省の「CALS/EC」で図面の電子化や電子納品、電子入札などITの要素技術については活用が進んだ。こうした実績を生かし、さらに建設プロセスのワークフロー改善を目指してBIMに取り組めば、本格的な生産性向上につながるだろう。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/ツイッターやfacebookでも発言している。