2012年5月18日、アメリカ建築家協会(AIA)の会場でマグロウヒル・コンストラクション社のステファン・ジョーンズ氏は講演し、米国において土木分野でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用が急速に普及していることを紹介した。社会インフラの老朽化が進む米国では、補修のために今後5年間で5兆5000億ドル(約500兆円)もの投資が必要とみられている。「建築に続け」と、BIMによる生産性向上に期待が高まっている。


 5月17日~19日、ワシントンDCで開催されたアメリカ建築家協会(AIA)の全米大会。展示会場では、建設専門の出版社であるマグロウヒル・コンストラクション社(McGraw-Hill Construction)のブースで建設業界の最新動向を紹介するミニセミナーがひっきりなしに開催されていた。

土木の生産性向上効果が期待されるBIM

 5月18日、同社のシニア・ディレクター、ステファン・ジョーンズ氏は「土木のBIM」について講演した。同社は2011年10月~11月にかけて全米の建設業界を対象に「土木のBIM」の活用について調査し、その結果を今年、「土木のBIMがもたらす経済的価値(The Business Value of BIM for Infrastructure)」という報告書にまとめた。その内容を紹介したのだ。

AIA会場で講演するステファン・ジョーンズ氏(左)と、「土木のBIM」報告書の表紙(右)(写真:家入龍太、資料:McGraw-Hill Construction)
AIA会場で講演するステファン・ジョーンズ氏(左)と、「土木のBIM」報告書の表紙(右)(写真:家入龍太、資料:McGraw-Hill Construction)

 米国の社会インフラの状態について、米国土木学会(ASCE)は先進国の中で最も悪いDランクに評価しており、今後5年間で5兆5000億ドル(約500兆円)もの投資が必要になるとみられている。

 そこで土木分野にもBIMを活用することが期待されている。例えばBIMを使うと社会インフラの空間的配置の計画が行いやすく、分かりやすい。様々な解析を行うこともできる。また多くの専門家によるコラボレーションや成果の統合が行いやすい。さらにシミュレーションやプレハブ化の作業が進み、それによって工費を下げ、工期を短縮することが期待できる。これらは既に建築分野で生産性向上の効果を発揮しているBIMの効果であり、土木分野でも展開されはじめている。