ARハザードスコープ: iPhoneで周囲の危険度や避難所情報が分かる

 首都直下型地震や東海・東南海・南海地震は、今すぐに起こっても不思議ではない。地震発生時には建物の倒壊や火災、津波など様々な危険の発生が予想されるため、危険度の低い場所を見つけて避難する必要がある。

 そこでキャドセンターは、ARの技術を使って、現在の場所の危険度を判断し、避難所の方向や距離がすぐに分かるiPhoneやiPad用のアプリ「ARハザードスコープ」を開発した。

 iPhoneなどのカメラを使って、画面の上半分には周辺の映像に津波の浸水想定高さや建物倒壊度、火災などの様々な危険度を重ねて見ることができるものだ。そのため、どの方向が安全なのかがすぐに分かる。

 一方、画面の下半分にはGPS(全地球測位システム)によって、現在の位置とカメラの向きが表示されるので、自分の位置と方向がすぐに分かる。

「ARハザードスコープ」で津波の浸水想定高さを見たところ。その場所で身長170cmの人がどこまで水につかるのかが分かる(資料:キャドセンター)
「ARハザードスコープ」で津波の浸水想定高さを見たところ。その場所で身長170cmの人がどこまで水につかるのかが分かる(資料:キャドセンター)

 画面に表示する危険度の種類は画面下のボタンで切り替えられ、「避難所」のボタンを押すと付近の避難所が緑色のマークと距離で示される。

火災危険度(左)と建物の倒壊危険度(右)の表示例(資料:キャドセンター)
火災危険度(左)と建物の倒壊危険度(右)の表示例(資料:キャドセンター)

最寄りの避難所の表示(左)と画面の切り替え方法(右)(資料:キャドセンター)
最寄りの避難所の表示(左)と画面の切り替え方法(右)(資料:キャドセンター)

 ARハザードスコープは、キャドセンターが自治体などのユーザーの希望によって開発する仕組みだ。「基本パッケージ」には、避難所情報のほか、津波浸水想定高さや火災危険度など10種類の防災情報から2つを選べる。別途料金を払えば、さらに防災情報を追加できる。

 なかには火山危険度や土砂災害危険度などもあるので、その地域のニーズに合ったアプリが作れそうだ。

「防災情報ARアプリ」に盛り込める防災情報。(資料:キャドセンター)
「防災情報ARアプリ」に盛り込める防災情報。(資料:キャドセンター)

 キャドセンターでは現在、東京23区を対象にした「ARハザードスコープ Lite(東京23区版)」をApp Storeで無料公開している。

 行政機関などからは避難所の位置や様々な災害に対するハザードマップが公開されている。しかし、自分の職場や自宅、外出先で突然、災害に遭遇したとき、これらのハザードマップを入手し、その情報を基に周囲の危険度を判断し、正しい行動をとることは現実には難しい。

 ARを使って周辺のハザードマップなどの情報を、現場で簡単に見られるようにすることで、いざというときに落ち着いて避難行動がとれそうだ。