入居メンバー同士で会社設立も

 co-lab 渋谷アトリエは、東急建設が事業主となり、春蒔(はるまき)プロジェクト(本社・東京都渋谷区)が運営を担当している。春蒔プロジェクト代表取締役の田中陽明氏は「既存の企業型組織型や個人型ではなく、その中間に位置する集合型のワークスタイルを実践できる場だ」と説明する。

 「co-lab」は、社会起業家を積極的に誘致する千駄ヶ谷、企業や個人が対等な関係でコラボする場を目指した二子玉川、クリエーターと文具会社がコラボする西麻布でシェアオフィスを運営している。創造的な仕事に取り組む人々が、コラボレーションしながら制作を行える共同事務所として2003年にスタートした。そして今回、工房を持つ渋谷の拠点が動き出した。

 「普通の貸事務所ではなく、多数の入居者が共有するシェアオフィスに対するニーズは、co-labが発足したころから高かった。特にクリエーターは共用スペースで作業できることがワークスタイルにマッチしているようだ。そしてデジタル工作機械に対するニーズも数年前から高まってきた」(同)。

6月27日に開催されたco-lab 渋谷アトリエのオープニング・レセプションには多くのデジタルクリエーターが集まった(写真:家入龍太)
講演する春蒔プロジェクト代表取締役の田中陽明氏(写真:家入龍太)

6月27日に開催されたco-lab 渋谷アトリエのオープニング・レセプションには多くのデジタルクリエーターが集まった(左)。講演する春蒔プロジェクト代表取締役の田中陽明氏(右)(写真:家入龍太)

 渋谷アトリエの入居メンバーによって新たな事業体も設立された。合同会社フリートランスレーションだ。同社は外部からのものづくり依頼を請け負うほか、デザイナーと生産工場をつなぐコンサルティングを行ったりする体制を整えている。

 co-lab渋谷アトリエを拠点として活動する若手デジタルクリエーターがコラボしながら、今後、次時代の建築デザインや設計・施工体制が生まれてくるに違いない。このオフィスは、そんな期待を抱かせるパワーと活気に満ちていた。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/ツイッターやfacebookでも発言している。