韓国:政府がBIM関連ガイドラインを整備

延世大学土木環境工学科のサンホ・リー教授(写真:家入龍太)
延世大学土木環境工学科のサンホ・リー教授(写真:家入龍太)

 韓国では国土海洋部が、様々なBIM関連のガイドラインを整備している。2009年には「国家BIMロードマップ」を整備し、BIMの基礎研究や、各国のBIM関連基準や実施マニュアルの研究、BIMとGISの統合研究などのスケジュールを提示した。

 また、2010年には「国家建築政策マスタープラン」を策定し、高度なBIM活用に対して投資の拡大を定めた。2011年の「共通BIMガイド」ではBIMの導入やモデリング、実施方法などについて定めた。そして2012年の「高度e建築情報システム」では、BIMについての現在の課題と将来の目標を定めた。

 一方、調達庁では2010年から段階的にBIMの導入を始めており、2016年には同庁が発注する公共施設すべてにBIMを採用することを目指している。

韓国調達庁のBIM導入計画(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)
韓国調達庁のBIM導入計画(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)

 講演した延世大学土木環境工学科のサンホ・リー教授は、BIMモデルの共通フォーマットである「IFC形式」を使って橋梁をBIMモデル化し、工事の4Dシミュレーションを行い、実際の工事と比較した例も紹介した。

BIMによる橋梁の架設シミュレーション(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)
BIMによる橋梁の架設シミュレーション(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)

オーストラリア:カーティン大学に中国とのBIM共同研究センター

カーティン大学のシャンギュー・ワン教授(写真:家入龍太)
カーティン大学のシャンギュー・ワン教授(写真:家入龍太)

 オーストラリアのカーティン大学では、中国の華中科技大学とBIMの共同研究センターを開設した。その目的は、建設プロジェクトのライフサイクル全体における効率と生産性を向上させるためだ。

 研究対象の技術は、時間軸を考慮した4D技術やICタグ(RFID)、AR(拡張現実感)などだが、特にBIMとARに力を注いでいる。

 ARは工事現場での空調ダクトや配管の組み立て手順を、作業員に短時間でよく理解させたり、ミスを減らしたりすることを目的にした研究が進んでいる。「実験結果によると図面で作業員に説明したときよりも組み立て作業時間、作業ミスともにほぼ半減した」と、カーティン大学のシャンギュー・ワン教授は説明した。

ARによる配管の組み立てシミュレーション(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)
ARによる配管の組み立てシミュレーション(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)

赤が図面による説明、青がARによる説明。組み立て時間(上段)、組み立てミス(下段)ともARの方が向上している(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)
赤が図面による説明、青がARによる説明。組み立て時間(上段)、組み立てミス(下段)ともARの方が向上している(資料:アジア建設IT円卓会議記念講演会より)