日本:アジアの建設IT関係者をまとめる組織づくり

 日本建設情報総合センターはアジアの各国からBIMをはじめとする建設IT分野の研究者を集めた「アジア建設IT円卓会議」を開催してきた。毎回、テーマを変え、その分野を専門とする研究者を招くことにより、アジア各国での建設IT活用に対する取り組みについての情報収集を行うという目的だ。

 講演会の翌日に行われた第8回の円卓会議では、各国の連携をさらに強固にするため、「Asian Group for Civil Engineering Informatics」という団体を創設し、これまでの円卓会議を「International Conference on Civil Engineering Informatics」という名称で奇数年ごとに開催するという提案が座長の矢吹信喜氏(大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻教授)から出され、各国参加者の同意を得た。

8月4日に開催された第8回アジア建設IT円卓会議の会場(左)と座長を務める大阪大学大学院教授の矢吹信喜氏(写真:家入龍太)
8月4日に開催された第8回アジア建設IT円卓会議の会場(左)と座長を務める大阪大学大学院教授の矢吹信喜氏(写真:家入龍太)

 気候や風土が似ているアジアという地域での研究成果は、各国・地域にとって参考になる部分は大きい。アジア各国の研究者にとって、この円卓会議は欧米で行われる国際会議とは違った意義がある。また、新興都市が急速に発展しているアジアには、建設ITに対する先進的な取り組み事例は多く、近隣同士の国々の間で競争意識も働くようだ。

 アジアの建設IT研究者が集まる場を提供している日本に対する期待は高い。また、国土交通省が「土木のBIM」ことCIMの導入を急ぐ半面、大学教育でのBIMへの取り組みが他国に比べて遅れがちな日本にとっても、この会議の存在はいい意味でアジアのBIM動向からの刺激を受けながら、今後の普及と活用を考える場としても機能するに違いない。

会議終了後の記念写真。会議参加者(前列)とJACIC関係者(写真:家入龍太)
会議終了後の記念写真。会議参加者(前列)とJACIC関係者(写真:家入龍太)

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/ツイッターやfacebookでも発言している。