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昨年12月、住宅内の省エネ、創エネ、蓄エネの各機器をつないで稼働状況を監視・制御するHEMS(住宅エネルギー制御システム)の標準規格「ECONET Lite(エコーネットライト)」が公開され、この規格に対応した機器が発売され始めた。この標準規格により、近い将来、様々なメーカーの家電や設備などの製品がHEMSに接続して統合管理する道が開けた。今は大手企業の独壇場になっているスマートハウス市場にも、中小企業が参入しやすくなるかもしれない。


 太陽光発電システや住宅用蓄電池を備え、商用電源と組み合わせて住宅内の空調や照明、給湯器などを最適に制御することで省エネや消費電力のピークカットなどを行うHEMSは、これまで家電や設備のメーカーごとに閉じたシステムだった。

 ユーザーにとってみれば、選択できる機器が限られるほか、他社の機器を導入したいと思っても規格が違うためにあきらめなくてはならないこともあった。

 そこで家電、電機メーカーなどからなる「エコーネットコンソーシアム」は、異なるメーカー間での相互接続性を向上させるため「ECONET Lite」という標準規格を開発し2011年12月に公開した。この規格に対応したHEMS関連機器も発売され始めた。

 現在のところは機器間の通信に使う無線方式の違いや通信方式が決まっていない面などもあり、「ECONET Lite対応」をうたっていても他社製品とはほとんど接続できない状態だ。しかし、将来的には様々なメーカーの家電・設備製品をHEMSに統合して制御する道が開けつつある。

東芝、パナソニックが対応機器を続々発売

 今年に入ってから、ECONET Liteに対応した製品が発売され始めた。先陣を切ったのは東芝グループだ。

 同グループは、「ECHONET Lite」対応機器として認定されたITアクセスポイントとエネルギー計測ユニットを開発し、6月11日に東芝ライテックから発売した。

6月11日に東芝ライテックが発売したITアクセスポイント(左)とエネルギー計測ユニット(右)(写真:東芝、東芝ライテック)
6月11日に東芝ライテックが発売したITアクセスポイント(左)とエネルギー計測ユニット(右)(写真:東芝、東芝ライテック)

ITアクセスポイントはHEMSの司令塔として機器を集中管理するもので、エネルギー計測ユニットは家庭用の分電盤に接続する。家庭内のエアコンや照明などの機器の制御や、家庭内機器のネットワーク接続を担う(対応製品はこちら)。

 ITアクセスポイントとエネルギー計測ユニットの間は、Bluetoothという周波数2.45GHz帯の短距離無線通信方式によって接続する。

 これらの装置により、住宅の電力使用状況を「見える化」するほか、機器の自動制御や遠隔操作もできるようになる。ECHONET Liteに対応する他社の電気機器と接続が可能で、太陽光発電と燃料電池のダブル発電のほか、計測機器を追加することでガス・水の使用量の見える化もできる。

(写真:東芝、東芝ライテック)
(写真:東芝、東芝ライテック)

住宅内の電力使用状況のほか水道やガスの使用量も見える化できる(資料:東芝、東芝ライテック)
住宅内の電力使用状況のほか水道やガスの使用量も見える化できる(資料:東芝、東芝ライテック)

 パナソニックもECHONET Liteに対応したHEMSの中核機器「AiSEG」と、分電盤に接続するAiSEG用エネルギー計測ユニットを10月21日に発売する。それぞれ、東芝ライテックのITアクセスポイントとエネルギー計測ユニットに相当するものだ(現在の対応製品はこちら)。

左から「AiSEG」、AiSEG用エネルギー計測ユニット、HEMSモニター(7型)(写真:パナソニック)
左から「AiSEG」、AiSEG用エネルギー計測ユニット、HEMSモニター(7型)(写真:パナソニック)

システム構成図の例(資料:パナソニック)
システム構成図の例(資料:パナソニック)

 住宅内にある家電や設備の稼働状況の見える化や集中制御など「管制塔」の役割を果たすAiSEG本体とエネルギー計測ユニットとの間は、920MHzの特定小電力無線で接続する。東芝はBluetoothを使っていた部分だ。

 パナソニックではECONET Lite対応の製品として給湯器「エコキュート」を発売済みだ。10月にはエアコンやIHクッキングヒーターも発売する。