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思わぬきっかけでBIMを導入

 2009年に久米デザインアジア社が設立された当初は、ハノイ本社ではBIMを導入する予定は特になかったという。ところが思わぬきっかけで本格的にBIMに取り組むようになった。

 当時、採用した現地スタッフにBIMに詳しい新入社員がおり、「その社員がベトナムでは日本よりBIM活用の機運が高く、BIMのメリットを生かした設計ができると力説したことがきっかけだった」と竹田所長は振り返る。

 事実、ベトナムでは建築教育に積極的にITを取り入れており、学生の就職戦線でもBIMができることが一つのPRポイントになっている。

 そこで、新入社員にはBIMを使える人を優先して採用し、現地スタッフだけでも6人がBIMのユーザーだ。うち1人は、Revitの指導者資格まで保有している。

設計室にはBIMを使える現地スタッフが6人いる(写真:家入龍太)
設計室にはBIMを使える現地スタッフが6人いる(写真:家入龍太)

BIMソフト「Revit」の指導者資格を持つスタッフ(写真:家入龍太)
BIMソフト「Revit」の指導者資格を持つスタッフ(写真:家入龍太)

 「BIMでどこまでやればいいのかについては悩んだ。初期のデザインを3次元で行う作業はうまくいくことが分かってきた」と竹田所長は説明する。

 その成果が冒頭に紹介したコンペでの1等獲得だ。「ベトナムでは大きなプロジェクトはコンペが多い。プレゼンテーションの比重が8割程度と高く、結果に大きな影響を及ぼす」とハノイ本社の源明玲氏は言う。

 「特に英米やシンガポールなどの建築設計事務所はビジュアルな道具の使い方が上手だ。日本のコンペのようにパワーポイントを使ってプレゼンしていると見劣りするだけでなく、手を抜いたのかと言われるほどだ」(源明氏)。

 「日本のコンペは『減点法』が基本なので多くの内容を詰め込みすぎる傾向にある。それに対し、ベトナムのコンペは『加点法』なので、どれだけいいところを見せるかが勝負になる。若い人のプレゼン能力を発揮しやすい」(竹田所長)。