風通しのよい集合住宅の通風性確認にBIMを活用

 コンペに限らず、久米デザインアジア社ではBIMを様々な設計業務に活用している。本格的にBIMで使ったプロジェクトは約5件、部分的に活用したものだと約30件はあるという。

 例えばベトナムのサラリーマンでも買いやすい住宅供給というコンセプトで開発された高層集合住宅「エコパーク(ECOPARK)」は、地上25階、地下1階建て、総床面積16万m2で約75m2の部屋が中心となっている。以前は畑だった敷地に植樹し、緑に囲まれた住宅地に変身させる。工事の進ちょく率は約8割だ。

風通しのよい日本的な間取りを採用したエコパーク。建物内部とともに周辺地域の通風性も考慮し、BIMによる通風シミュレーションを行った(資料:Kume Design Asia)
風通しのよい日本的な間取りを採用したエコパーク。建物内部とともに周辺地域の通風性も考慮し、BIMによる通風シミュレーションを行った(資料:Kume Design Asia)

 「これまでのベトナムの集合住宅では、窓のないベッドルームがあったりしてじめじめした部分もあった。エコパークは日本的な通風しがよい間取りを採用した」と源明氏は言う。

 長さ500mの敷地に高層住宅の建物が並ぶと巨大な壁となって、周辺地域の通風性を阻害してしまう可能性もある。そこでBIMによる通風シミュレーションを行い、建物の内部だけでなく、周辺地域の風通しも確認した。

 一方、ハノイの冬は気温が7℃程度まで下がることもある。そこで各部屋は南東向きにして北向きの部屋を避けるようにした。