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米国オートデスクは、BIM分野において建設フェーズの上流から下流までのソフトやハードの連携性を高める「垂直統合戦略」を鮮明に打ち出した。その内容はSketchUp的に使える3Dデザインアプリ「FormIt」の無償公開から、大手測量機器トプコンとの提携まで広がる。ラスベガスで開催された「Autodesk University 2012」での取材を中心に、オートデスクの狙いと他社の動向をお伝えしよう。


 米国・ラスベガスで11月27日~28日(現地時間。以下同じ)に開催されたオートデスク社のユーザーイベント「Autodesk University 2012」(以下、AU2012)には99カ国から約9000人もの来場者が詰めかけ、過去最高の規模となった。

 このイベントを取材する過程で、同社が概念設計から工場製作、施工へと続く建設フェーズの上流から下流までのソフトやハードの連携性を高める「垂直統合戦略」を強化していることが明らかになった。

 その一端は、開幕前日の11月26日に行われた米国オートデスク社の社長兼CEOのカール・バス氏の記者会見で早くも垣間見られた。バス氏はオートデスクが「FormIt」というフリーの3Dデザインアプリを開発し、AU2012で発表することを明らかにしたのだ。

米国オートデスク社の社長兼CEOのカール・バス氏(右側)(写真:家入龍太)
米国オートデスク社の社長兼CEOのカール・バス氏(右側)(写真:家入龍太)

概念設計用のiPadアプリを発表

 FormItとは建物の外形をデザインするためのソフトだ。アップルの携帯情報端末「iPad」上で3Dの立体をデザインできるため、喫茶店や屋外など、オフィスの外でも使えるので機動性が高い。将来はパソコンでも使えるようにすることを検討している。

FormItの画面(資料:Autodesk)
FormItの画面(資料:Autodesk)

 FormItは、同社の主力BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Revit Architecture」などで基本設計や詳細設計を行う前の、意匠設計者が建物の概念設計の段階で、建物のラフなデザインを検討する用途を想定して開発されたものだ。

これまでRevitのユーザーはこうした用途にGoogleが提供していたフリーの3Dモデリングソフト「SketchUp」(2012年4月にトリンブル社が買収)を使い、そのデータをRevitに読み込んでBIMでの設計に引き継ぐことが多かった。オートデスクでは, SketchUpの代わりとなるソフトを独自開発したのだ。その背景と狙いについては後で説明しよう。