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社員一丸の取り組みで発見したBIMの新機能

 そんな中、ある私立大学から84棟もの建物の施設管理システムの開発を依頼された。当時は図面と表計算ソフトで作ったデータベースで、実験に使うボンベの位置などを管理していた。しかし、図面とデータベースの情報が合わないことがしばしばあり、これをどう解決するかが課題だったのだ。

 ある日、若い社員がArchiCADにこの問題を解決する機能が備わっているのを発見した。それはBIMモデルの各部屋に設置したボンベのBIMパーツの属性情報として、その部屋名をリアルタイムに取り込めるという機能だった。当時、この機能を持っているのはArchiCADだけだった。

 そこで、維持管理に使う建物のBIMモデルや管理対象となるボンベなどの部品をArchiCADで作り、ボンベなどをBIMモデルの各部屋に配置した。ArchiCAD上にはボンベの属性情報を一覧表で表示する別画面を作り、ボンベの種類と現在位置がリアルタイムに表示されるFMシステムが完成したのだ。この使い方には、ソフトベンダーも驚いたという。

ArchiCADのリアルタイム属性情報を使って作った危険物管理システム。ArchiCADのモデル上にボンベを配置する(上)と、一覧表でもボンベの位置が自動更新される(下)(資料:シェルパ)
ArchiCADのリアルタイム属性情報を使って作った危険物管理システム。ArchiCADのモデル上にボンベを配置する(上)と、一覧表でもボンベの位置が自動更新される(下)(資料:シェルパ)
ArchiCADのリアルタイム属性情報を使って作った危険物管理システム。ArchiCADのモデル上にボンベを配置する(上)と、一覧表でもボンベの位置が自動更新される(下)(資料:シェルパ)

 BIMモデルは図面の代わりとなるものだ。ボンベをBIMモデル上の部屋間で移動させると、一覧表にも自動的に表示される。一覧表上であるボンベをクリックすると、BIMモデル上でその部品がクローズアップされる。こうして課題だった図面と一覧表のリアルタイムな連動が実現したのだ。

 ただ、ArchiCAD単体では、複数の建物を対象とした維持管理は行えない。そこでシェルパは現在、BIMソフトとクラウド上のデータベースと連携させ、複数の建物を統合的に維持管理できる「archifm.net」(ハンガリーのVINTOCON社)を活用しFM用のシステム構築を行っている。

archifm.netとArchiCADで構築したFM用データベースの例。一覧表にある天井エアコンを選択する(左)と、それがどこにあるのかがBIMモデル上で瞬時に表示される(右)(写真:家入龍太)
archifm.netとArchiCADで構築したFM用データベースの例。一覧表にある天井エアコンを選択する(左)と、それがどこにあるのかがBIMモデル上で瞬時に表示される(右)(写真:家入龍太)