PR

「利他主義」のBIMを実践

 SHERPAブログで紹介されているBIM活用の独自ノウハウは、シェルパの社員が業務の中で編み出したり、発見したりしたオリジナル情報ばかりだ。それを無料で、誰もが見られる様に公開しているのだ。大方の企業なら、「苦労して編み出したノウハウを無料で公開して何かメリットはあるのか」という話になってしまうところだ。

 定量的な評価は難しいが、今のところシェルパの社員による情報発信はうまく回っているようだ。高松氏は「情報を隠すより、積極的に発信する方がメリットがある。情報を出すと、忘れたころに仕事として帰ってくる」と説明する。

 つまり、惜しげもなく自社のノウハウを公開することで、ネット上に「良客」ができ、彼らの口コミが「セールスマン」のによって同社には次々と仕事が舞い込んでくるのだ。社員は、ブログやOPEN BIM café での活動をもとに、「お客様のためになることはビジネスとして戻ってくる」ことを体感し、さらなる実践を繰り返し行っている。

東京オフィスの社員(写真:シェルパ)
東京オフィスの社員(写真:シェルパ)

 「シェルパ」という言葉は、もともとヒマラヤなどの高地登頂に挑む登山家をサポートする案内人などを意味するものだ。同社では、その語源と同じく、BIMで他のユーザーを助け続けることで、リーマンショック後のがけっぷちの状態から見事に復活し、BIM界の先端的位置にいる。

 BIM導入後、その後の展開に悩んでいる企業も多いが、自社の利益だけを考えていたのでは限界がある。シェルパが実践する「利他主義のBIM」の精神は、新たなBIMによるビジネス展開のきっかけをつかむためのヒントになりそうだ。

家入龍太(いえいり・りょうた)
家入龍太(いえいり・りょうた) 1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/ツイッターやfacebookでも発言している。