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生産設備や配管、ダクトが入り組む5階建て、1万4000m2の製薬工場を10カ月で完成させる―――設備の複雑さと短工期のため、当初、誰もが不可能と思った工事だが、BIMによる設計調整を徹底した結果、手戻り工事がほとんどなくなり、予定通り無事に完成した。翌月からは本格的な試運転が始まった。

 岐阜県揖斐郡池田町のUNIGEN岐阜工場は、S造、5階建、延べ面積は1万4150m2。2万1000リットルの培養槽を複数備えている。インフルエンザワクチンの原薬を製造する大規模な工場だ。

 その内部には様々な生産設備が並び、天井裏の限られたスペースには空調用のダクトや排水管、電気配線などの設備が所狭しと並んでいる。バイオ医薬品を製造する工場だけに、ウイルスなどが外部に流出しないよう、建物内部の空間は一般の建物に比べて厳格な管理が要求される。

UNIGEN岐阜工場(資料:新菱冷熱工業)
UNIGEN岐阜工場(資料:新菱冷熱工業)

構造部材の内部には生産設備や空調・電気設備がぎっしりと詰まっている(資料:新菱冷熱工業)
構造部材の内部には生産設備や空調・電気設備がぎっしりと詰まっている(資料:新菱冷熱工業)

 この複雑な建物を建設するために、千代田化工建設を元請けとする施工チームに与えられた工期は2012年3月から同年12月までのわずか10カ月間だった。インフルエンザワクチンを一刻も早く、製造開始するためのやむを得ない計画だったが、当初、誰もが「とても不可能な工期」と思った。しかし、建物は予定通りの工期で完成し、2013年1月からは本格的な医薬品製造の試運転に入った。

 この“離れ業”を可能にしたのは、施工チームがBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による事前の徹底した設計調整作業だった。

BIMモデル(上)と現場の写真(下)はそっくりだ(資料・写真:新菱冷熱工業)
BIMモデル(上)と現場の写真(下)はそっくりだ(資料・写真:新菱冷熱工業)
BIMモデル(上)と現場の写真(下)はそっくりだ(資料・写真:新菱冷熱工業)