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 工事現場からのCO2排出量の見える化や、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を利用したエネルギー計算、LEDランプの交換時期判定など、設計から施工、維持管理までの省エネを支えるITシステムが広がってきた。最近の動向をお伝えしよう。

大和ハウス工業:太陽熱と地中熱で給湯のCO2を70%削減

 大和ハウス工業は、設計・施工を担当した山梨県甲府市の介護施設「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」(運営はシダー)で、CO2排出量を削減する実証実験を10月1日に始めた。

 大和ハウス工業は2020年までに法人向け建物の運用時のCO2排出量をゼロにすることを目指す「Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」に取り組んでおり、2011年7月以降、オフィスビルや店舗、工場などを建設してきた。その第8弾として建設したのが、このデイサービス施設だ。

 一般的なデイサービスでは、サービス利用者がほぼ毎日入浴するため、給湯エネルギーが多くなる。そこで今回の実証実験では、太陽熱温水器と地中熱を利用したヒートポンプを導入し、給湯におけるCO2排出量を約70%削減できるようにした。

太陽熱パネルと地中熱ヒートポンプを備えた介護施設「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」外観イメージ(資料:大和ハウス工業)
太陽熱パネルと地中熱ヒートポンプを備えた介護施設「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」外観イメージ(資料:大和ハウス工業)

太陽熱・地中熱利用給湯システムの概念図(資料:大和ハウス工業)
太陽熱・地中熱利用給湯システムの概念図(資料:大和ハウス工業)

 晴れた日には太陽熱パネルで温水を作り、日射量が少ない雨天や曇りの日、および夜間は地中熱ヒートポンプに切り替える。夏季などは太陽熱だけでほぼすべての給湯をまかなえるという。

 また、BEMS(ビル用エネルギー管理システム)によるエネルギー使用量の「見える化」表示は、空調・照明の電力使用量や水の使用量に加えて、太陽熱温水器で取得した熱量も表示するようになっている。

太陽熱の取得熱量も表示されるBEMSの画面(資料:大和ハウス工業)
太陽熱の取得熱量も表示されるBEMSの画面(資料:大和ハウス工業)

Low-Eガラス(左)や全館LED照明(右)も採用し、パッシブ、アクティブ両面で省エネ化を図った(資料:大和ハウス工業)
Low-Eガラス(左)や全館LED照明(右)も採用し、パッシブ、アクティブ両面で省エネ化を図った(資料:大和ハウス工業)

全体パース(資料:大和ハウス工業)
全体パース(資料:大和ハウス工業)

 このほか、この施設では省エネ性能を高めるため、高断熱・高気密外壁、単板ガラスの約2.4倍の断熱性能を持つLow-Eガラス、LED照明や人感センサーを採用した。こうした対策の結果、1990年当時に建設した同社による建物と比較して約30%のCO2排出量削減が可能になったという。

 今回大和ハウス工業が実証実験で採用した環境配慮技術は、同社が設計・施工する有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などに採用していく予定だ。