大林組の設計施工一貫のBIM活用を海外が評価

 10月28日~30日の3日間、オーストラリアのシドニーを舞台としたBIMの仮想コンペ、「Build Sydney Live 2013」(主催:BuildingSMART オーストラリア)が48時間にわたって開催された。

 この国際仮想コンペには世界15カ国から19チームが参加した。大林組からはオーストラリア・シドニーの設計事務所、Rice Daubneyとの合同のチーム「Rice Daubney + Obayashi Corporation」と、大林組単独のチーム「Hi-sho, the chilipeppers」が参戦した。

 このうち、日豪合同の「Rice Daubney + Obayashi Corporation」チームが見事、入賞を果たし、「BEST USE OF BIM FOR DESIGN, DRAMA, AND EXCITEMENT(設計、ドラマ、興奮をもたらしたBIM最高活用賞)」を授与された。

日豪合同チーム「Rice Daubney + Obayashi Corporation」の受賞を伝えるのブログサイト(資料:Build Sydney Live 2013)
日豪合同チーム「Rice Daubney + Obayashi Corporation」の受賞を伝えるのブログサイト(資料:Build Sydney Live 2013)

 今回の課題は、シドニーの国際会議場を建て替えるというものだった。このコンペのため、大林組は現地に2人のスタッフを派遣するほどの力の入れようだった。

 意匠設計はRice Daubneyが担当し、大林組は流体・構造解析、設備・構造モデル構築、施工計画を担当した。

 大林組の東京本社と現地スタッフとのコラボレーションは、クラウドサーバーと「GoToMeeting」というWEB会議システムの併用で、全く問題なく情報共有しながらコンペに取り組むことができた。

日豪合同チーム「Rice Daubney + Obayashi Corporation」の作品(左上)と課題となったシドニーの国際会議場(左下)。課題敷地(右)は敷地面積は19ヘクタールの大きさだった(左資料・写真:大林組、右資料:Build Sydney Live 2013)
日豪合同チーム「Rice Daubney + Obayashi Corporation」の作品(左上)と課題となったシドニーの国際会議場(左下)。課題敷地(右)は敷地面積は19ヘクタールの大きさだった(左資料・写真:大林組、右資料:Build Sydney Live 2013)

「Rice Daubney + Obayashi Corporation」が行った流体解析(資料:大林組)
「Rice Daubney + Obayashi Corporation」が行った流体解析(資料:大林組)

 受賞チームのあるメンバーは「設計施工一貫でBIMモデルを有効活用するという当たり前のことを当たり前に取り組んだだけ」と語る。

 参加チームに授与された賞はこのほか、最優秀賞の「The OpenBIM BUILD SYDNEY LIVE 2013 Award 」、「環境/施工性を実現するBIM最高活用賞(Best use of BIM for Sustainability or Constructability)」、「多職能によるBIM活用と相互運用賞(Multi-disciplinary BIM & Use of Interoperability)」の合計4つだけだった。

 今回の仮想コンペの実施ルールはとても厳格だった。参加チームにはコンペ開始まで、ほとんど課題についての情報は与えられず、質問メールを送っても「返信拒否」だった。日本のコンペとは違った厳格な対応は、国際ルールの厳しさを感じさせた。

 そんな中、大林組が加わったチームが参加19チームのうち上位4チームに選ばれたことは、日本のBIM活用力が海外で認められたという点で有意義だったと言えるだろう。

 日本ではBIMで流体解析(CFD)を行う設計者は今や珍しくなくなりつつあるが、海外の設計者は、CFDは自分の仕事ではないと思っている人が多いようだ。その点、大林組が行ったCFDは、高い評価につながったのかもしれない。