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小回りを生かした空中施工の可能性

 これまでの実験は屋内で気流が安定したところで行われた。今後、空中施工技術を実用化するためには、屋外の環境の下で同様の施工ができるように安定性をさらに高めていく必要がある。

 チューリッヒ工科大学では今後の課題として、屋外における高精度な位置制御技術の開発、バッテリー稼働時間の向上、複数機で作業する時の安定性向上を挙げている。

 クアッドコプターは小型なので、既存建物や建設中の建物の内外に、いろいろな角度から接近し、作業が行える小回りが利くことが特徴だ。屋外作業での安定性や作業性が確保できれば、足場をかけにくい場所にロープを結びつけたり、維持管理用の小型機器を取り付けたりするような作業に使えるのではないだろうか。

 このようにクアッドコプターを制御しての施工を実現するためには、既存構造物や建設現場を高精度に3次元データとして記録しておくことが欠かせないだろう。

家入龍太(いえいり・りょうた)
家入龍太
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログ「建設ITワールド」は、http://www.ieiri-lab.jp/ツイッターやfacebookでも発言している。