汚染水の増加を食い止めるのが喫緊の課題に

 汚染水タンクの容量は1000トンのものが一般的だ。そのため2~3日に1基ずつのタンクを建設しなければ汚染水の増加に間に合わない。今年3月6日、現場を訪れたときは、あちこちで汚染水タンクの増設作業が行われていた。

 東京電力によると2014年1月28日現在、汚染水の総貯蔵量は約42万トン、タンクの総貯水容量は約45万トンに達し、タンクの増設計画は既に設置済みの分も含めて合計80万トンまでめどがたっている。

 とはいえ、汚染水を無尽蔵に増やすことはできない。汚染水の増加を食い止めることは、福島第一原発の廃炉作業にとって喫緊の課題なのだ。

東京電力福島第一原発で行われている汚染水タンクの増設工事。2014年3月6日に撮影(写真:ヤフー)
東京電力福島第一原発で行われている汚染水タンクの増設工事。2014年3月6日に撮影(写真:ヤフー)

 これらの汚染水はALPSという多核種除去設備を通すとセシウムなど62種類の核物質が法定濃度未満まで取り除くことができる。現行のALPSは日量250トン×3系統が稼働している。今後、日量250トンのALPSを3系統、日量500トンの高性能ALPSを1系統増設する計画だ。増設することで、合計すると最大で日量2000トンの汚染水を処理できるようになる見込みだ。とはいえ、3月18日には処理不調により全系統が停止するなど、安定稼働に不安も残る(24日時点で2系統が運転再開)。原因特定と再発防止策の策定が急務といえそうだ。

多核種除去設備「ALPS」(写真:ヤフー)
多核種除去設備「ALPS」(写真:ヤフー)

 また、ALPSでもトリチウム(三重水素)という水素の同位体を元素の一部に含んだトリチウム水だけは除去できない。政府はトリチウム水タスクフォースを設置して対策を検討中だ。