解体や補修用のロボも続々開発

 三菱重工業の遠隔操作ロボット「MHI-MEISTeR(マイスター)」は、足回りには対地自動追従式の独立4クローラーを備え時速2kmで走行する。傾斜は40°、段差220mまでの階段昇降や不整地走行、狭い場所での走行など、小回りと機動力を発揮できる。

三菱重工業が開発した「MHI-MEISTeR」(写真:三菱重工業)
三菱重工業が開発した「MHI-MEISTeR」(写真:三菱重工業)
三菱重工業が開発した「MHI-MEISTeR」(写真:三菱重工業)

 特徴は7つの関節を持つロボットアームを2本備えていることで、それぞれにツールを装着して様々な加工ができる。

 ツールには専用のドリルやはさみづめなどがあり、これらを駆使して原子力プラント内でのコンクリートの穴開け、手すりや配管の切断、障害物の除去、除染や補修といった作業を器用にこなせる。

 既に1号機建屋ではコンクリート壁や床から深さ70mm程度のサンプルコアの採取や、研磨材を吹き付けて放射能汚染物質を薄く削る取るショットブラストによる除染作業の実証を行った。さらに2号機でもコンクリートのコア抜きを予定している。

2本のロボットアームでコンクリートのコア抜きを行った例
2本のロボットアームでコンクリートのコア抜きを行った例(写真:三菱重工業)

 また、三菱重工業は高さ8mでの高所作業ができる遠隔作業ロボット「MHI-Super Giraffe(MARS-C)」(スーパージラフ)も開発した。小回りが利く4輪駆動・4輪操舵(そうだ)方式の台車に5段伸縮式のアームを搭載したものだ。

高所作業用の遠隔操縦ロボット「MHI-Super Giraffe(MARS-C)」(写真:三菱重工業)
高所作業用の遠隔操縦ロボット「MHI-Super Giraffe(MARS-C)」(写真:三菱重工業)

 アームの先端にはツールを取り付けてバルブの開閉や溶接など、様々な作業が行える。三菱重工では、折りたたみ式やパンタグラフ式の荷揚げモジュール、せん断破壊作業を行うウォールクラッシャーや荷揚げ用デッキ・バケットなどの開発を検討中だ。

 さらに溶接やドリル、ハンド、漏えい検知などの各種用途向けの先端工具や、段差などに強いクローラー式台車モジュールなどの開発を行い、より高機能な遠隔作業ロボットへと進化させていく予定だ。

 作業中はリアルタイムに重心位置を計算し、転倒しそうになったときは操縦者にアラームを発信するとともにアウトリガーが浮き上がる前に作業を停止する安全装置も付いている。

 三菱重工は各モジュールを接続するための駆動電力や通信、油圧などの関連情報をすべて公開、他社にもモジュールの開発を呼びかけている。

 東芝は4足歩行ロボットを開発した。車輪やクローラーで走行するロボットでは到達できない場所で作業できるというもので、無線操作により4本の足で障害物を避けながら時速1kmで歩行し、階段も上り下りできる。

 大きさは624mm(L)×587mm(W)×1066mm(H)で重さは65kg。バッテリーで連続2時間の歩行ができる。“子機”のような小型走行車を搭載でき、到達した地点で発進させると狭い場所での設備や機器、配管などを調査できる。

階段などを上り下りできる4足歩行ロボット
搭載できる小型走行車
階段などを上り下りできる4足歩行ロボット(左)と搭載できる小型走行車(右)(写真:東芝)