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3Dプリンターの重要特許切れが低価格化の背景に

 3Dプリンターは、以前から産業界で使われていたが、2013年2月に米国のオバマ大統領が一般教書演説で「3Dプリンターが米国の製造業を変える」と発言したことをきっかけに一般マスコミでもしばしば取り上げられるようになり、家庭用の低価格プリンターが家電量販店などでも販売されるようになった。

 マイクロソフトもWindows8.1で動作する3Dプリンター用データの作成ソフト「3D Builders」を無料で公開している。こうしたことから、2013年は「3Dプリンター元年」とも呼ばれる。

Windows8.1用にマイクロソフトが無償公開している3Dモデル作成用ソフト「3D Builders」のダウンロードサイト(資料:マイクロソフト)
Windows8.1用にマイクロソフトが無償公開している3Dモデル作成用ソフト「3D Builders」のダウンロードサイト(資料:マイクロソフト)

 3Dプリンターブームが起こった背景には、重要な基本特許が切れてきたこともある。2009年には熱で溶かしたプラスチックなどの材料を積み重ねて造形する「熱溶解積層法」(FDM方式)の特許が切れた。これをきっかけに、この方式によるオープンソースや家庭用の低価格3Dプリンターが続々と発売された。

 また、2014年2月には粉末材料をレーザー光線で焼き固めて造形する「レーザー焼結法」の特許が切れた。この方式はナイロンや金属など強度の高い材料が使用でき、精密な加工が可能なのが特徴だ。今後、レーザー焼結法を使った低価格な3Dプリンターが登場してくることも予想される。

 建設業界ではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)といった3Dによる設計手法が普及しつつある。3Dプリンターの低価格化と高性能化により、設計や施工の現場で模型が手軽に作れるようになると、デザイン上の合意形成だけでなく、構造や施工手順の検討など、日常的に使う機器としてさらに普及が進みそうだ。

家入龍太(いえいり・りょうた)
家入龍太
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。公式ブログ「建設ITワールド」(http://www.ieiri-lab.jp/)を運営。著書に「CIMが2時間でわかる本」(日経BP社)、「図解入門 よくわかるBIMの基本と仕組み」(秀和システム)など。