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クラウド上で動くVRシステムに手描きで説明を加える

 日本からは、大阪大学大学院工学研究科の福田知弘准教授がWorld 16に参加している。今回のワークショップでは、クラウドシステム上で動くUC-win/Road(VR-Cloud)を使って、大阪大学の研究室にいる学生とテレビ会議をしながら、マンションの設計をリアルタイムに進めていくデモンストレーションを行った。

ハワイと大阪大学からVR-Cloudに接続し、リアルタイムに共同設計するデモンストレーション(資料:福田知弘)
ハワイと大阪大学からVR-Cloudに接続し、リアルタイムに共同設計するデモンストレーション(資料:福田知弘)
講演する大阪大学の福田知弘准教授(写真:家入龍太)
講演する大阪大学の福田知弘准教授(写真:家入龍太)

 例えば市街地にある古い一軒家を解体して、その後にマンションを建てるプロジェクトでは、VRによって周囲の街並みや地形を把握しながら、建物自体の意匠はもちろん、外観や窓から見える景色なども検討できる。

 このとき、VR-Cloudで遠隔地の設計者同士がうまく意思疎通を行うためには、ビデオ会議や電話会議に加えて、VR画面上に手描きでスケッチできる機能が非常に有効であることを福田氏は説明した。

VR-Cloudの画面上に手描きで樹木を描き入れた例(写真:家入龍太)
VR-Cloudの画面上に手描きで樹木を描き入れた例(写真:家入龍太)

 例えば空間の構成や計画中の建物のボリューム感などを、設計初期の概念設計段階で検討するのに、VRの画面内にアナログ的に手描きの樹木や建物の外形を描いていくのは分かりやすく、意見交換するのに効果的だったのだ。

 大学では、インターネット回線を使って他大学とコラボレーションする機会も多い。そして研究者自身がシステムのユーザーとして、便利なこと、不便なことを体感している。VRというデジタルなシステムに、手描きというアナログ的な機能をマッチングさせた福田氏の研究は、VR-Cloudの生産性向上を図る上で重要なヒントとなるものだ。