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2050年までに39億人分の住戸を確保

 Fluxは、2050年までに地球上の人口増加と都市部への人口集中によって、39億人分の住宅が新たに必要となると説明している。今後、35年間に100人が住める住宅なら毎日3000棟、500人が住める住宅なら毎日600棟の建設が必要になるという計算だ。

 これまでは設計者が建物を1つひとつ、設計していくのが常識だった。敷地の法基準を調査して、建物を計画し、少しずつ設計を具体化、詳細化する作業を行うことについて、建築関係者のほとんどは疑問を持たない。

 しかし、こうした手間の掛かる方法だと、今後の住宅ニーズに十分対応できるかどうかは疑問だ。そこでまず、建築計画をスピーディーに行えるようにと、Flux Metroを開発したのだ。

 オースチンをモデルにした今回のシステムは、最初の10カ所の敷地については無料で鳥かご作りが体験でき、その後は1カ所あたり100ドルの割引料金が掛かる。来年のサービス開始後の正規料金は1つの敷地あたり200ドルとなる予定だ。

 しかし、200ドル掛かったとしても、従来のように設計者が手作業で鳥かごを作成することに比べると、ずっとスピーディーで費用もはるかに安そうだ。

Fluxのスタッフ(写真:flux.io)
Fluxのスタッフ(写真:flux.io)

 Fluxが開発している“種”を自動展開する3D設計システムや、鳥かご作成システムは、地球人口の増加と都市部への集中に対応する集合住宅の建設だけでなく、オフィスや学校、病院など様々な建物にも適用できるだろう。プレハブ資材や設備の標準化や大量生産システムともに展開すれば、従来の「半分の工期、半分のコスト」での建築プロジェクトも、可能になりそうだ。

 そのとき、設計者の仕事は、1つひとつの建物を設計することから、“建物の種”を開発することに変わるのかもしれない。ビルオーナーもクルマを選ぶような感覚で、ビルの型番を選び、オプションをカタログから選ぶような建築に変わってきそうだ。

 もちろん、従来型の建築手法も残るに違いない。しかし、短工期と低コストを売り物にした建築手法に対し、どのような優位性を確保していくのかを真剣に考えていく必要がある。Fluxの設計手法は、これからの建設生産システムのあり方に、大きな一石を投じるものになりそうだ