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顧客志向のデザイン会社を発掘

 この仕組みによって、発注者は多くの店舗デザイン会社の実績を、視角的に比較しやすくなり、複数のデザイン会社から手軽に相見積もりを取れる。そしてデザインの内容と価格に対して納得したうえで発注できる。これまでの建設業では、あまり提供されてこなかった顧客志向のサービスと言えるだろう。

 一般的に設計料は施工費の10%程度であることが多いので、デザイン会社にとっては施工費が高くなった方が収入は増える。そのため、施工者側の利益になるように動くデザイン会社もなかにはある。

 一方、シェルフィーが求めているのは、施主側の立場に立って設計や施工のアドバイスを行うデザイン会社だ。そこで同社では、そうした趣旨に賛同するデザイン会社をヒアリングによって確認し、サイトに登録している。多くのデザイン会社を訪れるうちに、設計料の相場も分かってきた。

 「インターネットビジネスとはいえ、ウェブサイトを開設してから数カ月は検索サイトにも引っかからない。そのため、当初のデザイン会社探しは、文字通り足を運んでの作業だった。サイト開設前の4月から1都3県を回って70社を集めた。設計の依頼が多く舞い込んでいるデザイン会社であることも重視した。趣旨を理解してサイトに参加してくれるのは、有名設計事務所の出身で30代の若手デザイナーの会社が多い」と呂氏は説明する。

オフィスは通称“大久保軍艦ビル”の7階にある(写真:家入龍太)
オフィスは通称“大久保軍艦ビル”の7階にある(写真:家入龍太)

 建設業と一般の施主をつなぐサービスを目指して起業した呂氏は、驚くべきことに大学3年生の時にマンガを翻訳して海外に提供する会社を起業し、2年半前にその事業を売却したという経歴を持つ。

 アップルのスティーブ・ジョブズやマイクロソフトのビル・ゲイツ、Facebookのマーク・ザッカーバーグなど、IT業界の風雲児たちと同じように、呂氏は1回目の起業のとき、大学を中退した。

 そして、今回のシェルフィーが2社目の起業だ。現在、平均年齢25歳の社員6人とともに頑張っている。呂氏を含めて、建設業経験者は社内にいない。ただ、呂氏の父親はインテリアデザイナーだった。それが店舗インテリアの分野に目を向けさせたことは確かといえそうだ。

 会社設立後、2カ月は成約がなかったが、9月に初めての案件がまとまった後、少しずつ成果が出てきた。今では月に10件成約するまでになったという。

シェルフィーのオフィス。社員には建設業界の経験者はおらず、平均年齢は25歳だ(写真:家入龍太)
シェルフィーのオフィス。社員には建設業界の経験者はおらず、平均年齢は25歳だ(写真:家入龍太)