3Dレーザースキャナーで建物を点群データ化

 このバーチャル保存プロジェクトは、同庁舎建物の竣工90周年と田中絹代ぶんか館オープン5周年を記念して、BIMソフトベンダーのオートデスクが下関市、下関文化振興財団、NTTファシリティーズ、トプコンとともに2014年5月から進めてきたものだ。

 その手順はまず、建物を内側と外側のいろいろな場所からトプコンの最新型3Dレーザースキャナー「GLS-2000」で計測し、点群データ化する。

3Dレーザースキャナーによる建物外部の計測(写真:オートデスク)
3Dレーザースキャナーによる建物外部の計測(写真:オートデスク)
建物内部の計測(資料:オートデスク)
建物内部の計測(資料:オートデスク)

 次に、建物内外のあちこちで計測した点群を1つにまとめたデータにする「レジストレーション」という作業を行った。この作業にはトプコンの「ScanMaster」というソフトを使用した。

 点群を1つにまとめる作業では、位置合わせを精度よく行うことが重要だ。普通は「ターゲット」と呼ばれる白球をあちこちに配置して、それを目印に点群の位置合わせを行うが、今回は点群の計測位置を事前に高精度で計測し、その位置情報をもとにレジストレーションを行い、誤差数ミリという高い精度でできたという。