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3DレーザースキャナーとUAVによる点群を合成

 3Dレーザースキャナーによる計測は、点群の間隔が数センチメートル~数十センチメートルあるため、角や細かい部分の凹凸が測りにくい半面、一部のレーザー光は雑草などの奥まで届くというメリットがある。

 一方、UAVによる空撮で作成した点群は、角をとらえやすく、細かい凹凸も再現しやすいというメリットがある半面、夜間の計測が難しかったり、狭い穴の内部を計測しにくかったりする。

 それぞれの方法で計測した点群データはどれだけの誤差があるのかということも、気になる。

 こうした疑問に答えてくれたのが、三重県四日市市で3DレーザースキャナーやUAVでの計測サービスを提供する三重計測サービスの代表取締役、横山薫氏だ。横山氏はこのほど、滋賀県高島市の大溝城跡の石垣を3DレーザースキャナーとUAVによる空撮によって計測し、結果を比較する実験を行った。

3Dレーザースキャナーによる計測(写真:三重計測サービス)
3Dレーザースキャナーによる計測(写真:三重計測サービス)
空撮に使ったUAV(写真:三重計測サービス)
空撮に使ったUAV(写真:三重計測サービス)

三重計測サービス代表取締役の横山薫氏(写真:三重計測サービス)
三重計測サービス代表取締役の横山薫氏(写真:三重計測サービス)

 石垣の表面を3Dレーザースキャナー「FARO Focus3D」と、小型カメラ「GoPro」を搭載したUAV「クワッドコプターPhantom2」で計測し、作成した点群データ同士を比較した。

 その結果、石材の表面については両者の差はわずか±10mmということが明らかになったのだ。

3Dレーザースキャナーで作成した点群データ(資料:三重計測サービス)
3Dレーザースキャナーで作成した点群データ(資料:三重計測サービス)
UAVによる空撮で作成した点群データ(資料:三重計測サービス)
UAVによる空撮で作成した点群データ(資料:三重計測サービス)

両者の差分を解析した結果。石の間は大きな誤差があったが、石の表面の誤差はわずか±10mmに収まった(写真:三重計測サービス)
両者の差分を解析した結果。石の間は大きな誤差があったが、石の表面の誤差はわずか±10mmに収まった(写真:三重計測サービス)

 点群の差分比較は「RAPIDFORM XOR」というソフトを使った。三重計測サービスでは、普段から3次元レーザー計測のデータをベースに、写真計測を補完として使用しているという。

 この石垣の場合、石が崩れた部分の間は、3Dレーザースキャナーでは細かく測りにくいが、写真計測だとしっかりと計測されていた。

 そこで、両方のデータを合成する「ハイブリッド解析」により、抜けのない高精度なポリゴンデータを作成することに成功したのである。

3DレーザースキャナーとUAVによる点群データをハイブリッド解析して作った抜けのないポリゴンデータ(資料:三重計測サービス)
3DレーザースキャナーとUAVによる点群データをハイブリッド解析して作った抜けのないポリゴンデータ(資料:三重計測サービス)

 横山氏はこれらの計測や解析をすべて自分一人で行った。今後はさらに大規模な石垣の計測をこれらの手法で行う予定だという。

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 これまでは、点群データを計測してから設計や施工管理などに利用するためには、専門的なソフトを扱うスキルや、3Dモデル化や解析作業の時間がかなり必要だった。

 今回、紹介したソフトのようにスピーディーかつ簡単に点群データが利用できるようになると、実物の現場を忠実にデータ化してパソコンに取り込んで処理しやすくなる。

 点群データの活用によって、施工管理が効率化するだけでなく、屋外作業が大幅に減ることで歩行者や交通に与える影響も少なくなる。そして現場の“3K撲滅”にも寄与しそうだ。