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 様々な分野でセンサーの利用が進んでいる。社会インフラの維持管理においても、各種センサーが導入・運用され、施設の異常の早期把握や構造物の安全性の確保などを目的として一定の効果を上げている。施設の老朽化が急速に進み、熟練の技術者の減少が現実味を帯びる中、維持管理の効率化・合理化を図る手段として、センサーのさらなる有効活用に注目が集まっている。

 こうした背景を踏まえ、今回は、施設管理におけるセンサーの活用状況と今後の可能性について述べる。

社会インフラ施設管理におけるセンサーの活用

 センサーネットワークを活用した施設モニタリングシステムは、安全性の向上と業務の効率化を両立させる技術として期待されている。

 すでに活用が進んでいる例もある。図1は、光ファイバーセンサーによる常時監視技術をベースに、収集したデータから、高速道路の損傷状況を判定し、迅速な修復などの対応に活かすことができるシステムの概念図だ。橋桁や橋脚の姿勢および振動を長期継続監視し、橋梁劣化の早期発見や、災害時のリアルタイム異常検知、平常時の早期異常把握を実現している。

図1 インフラ管理にセンサーネットワークを活用している事例(資料:BRIMOS〔首都高速、NTTデータ、東工大〕)
図1 インフラ管理にセンサーネットワークを活用している事例(資料:BRIMOS〔首都高速、NTTデータ、東工大〕)

 このように、インフラの維持管理の場面では、日常的に構造物などの状態を監視するセンサー(橋梁部における振動センサーなど)、日常的に自然状態を監視するセンサー(気温・降雨・地震など)、非日常的な自然災害や突発的事項等を発見するために構造物などを監視するセンサー(法面における斜面変異センサーなど)が活用されている。

 海外においても、米国イリノイ大学を中心に研究開発されたIllinois Structural Health Monitoring Project (ISHMP)や、香港のWind and Structural Hearth Monitoring System (WASHMS)など、ワイヤレスセンサーなどでリアルタイムに橋梁を観測したセンサーデータのモニタリングを可能とするシステムの実用化が進んでいる。