ケンセツ的視点
目次
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編集長座談会/建設・不動産分野の回顧と展望2007-2008
建築基準法の改正とその後の混乱、米国・ミネアポリスの高速道路橋の崩壊など老朽化した橋のトラブル多発、建材の大臣認定不正取得・強度偽装……。日経BP社の建設・不動産分野6媒体の編集長が集合し、2007年の重要ニュースを選んだ。事件・事故・トラブルが相次ぐ建設産業界に問われていることは何か。併せて200…
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リフォーム工事の“フローリング偽装”を見破った
次々に偽装が発覚している建築界。古い話で恐縮だが、我が家でも1999年にマンションの内装をリフォームした際、“偽装事件”に巻き込まれてしまった。契約と異なる衝撃音性能のフローリングが張られてしまったのだ。9年前を振り返ってみる。
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ミスを繰り返す発注者の情報感度
2006年度の会計検査報告を見ると,これまでと同様のミスが相変わらず指摘されている。例えば,斜橋に設ける落橋防止装置。橋長が25m以下の場合は一般に設置しなくてもよいが,斜角*が小さい橋では省略できるか否かを判定する必要がある。
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土木も「どげんかせんといかん」と思うのか,それとも……
日本漢字能力検定協会が公募した2007年を表す世相漢字は「偽」に決まった。今年は,食品の産地や賞味期限などに関する数多くの「偽」が発覚し,社会問題化した。土木業界では,栗本鉄工所が旧日本道路公団発注の中空床版橋の工事に使う薄鋼板製の円筒型枠の強度試験データを約40年間にわたり改ざんしていた事件が記…
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実務者の心が離れる産業に未来はない/建設産業の就職・転職事情(番外編)
12月12日から5回にわたって掲載した「建設産業の転職・就職事情」は、人の動きから建設産業の現状を浮かび上がらせようという企画だ。フリーランス・ライターの三上美絵さんと取材を始めた当初は、暗い話題も明るい話題も取り込むつもりだった。ところが、明るい話はなかなかみつからない。
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新聞架にヒントを得たオフィス用のコートハンガー
「オフィスで使うコートハンガーには、特に個性がなく積極的に買いたいと思える製品が少ない。既存製品の売上が落ちる前に、新製品を開発する必要がある」。ライオン事務器で新製品開発を手がける遠藤浩氏は、そんな問題意識を抱いた。
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“結果オーライ”では世間が許さなくなった建設工事
11月以降に、大手建設会社によるマンション施工ミスが3件発覚した。清水建設が施工している“鉄筋不足マンション”(千葉県市川市)、竹中工務店が施工している“鉄筋取り違えマンション”(東京都港区)と“コンクリート強度不足マンション”(東京都世田谷区)だ。どれも施工中で、施工ミスには既に対応したか、何ら…
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工務店のWEB大賞を決める
11月28日に2007年の「工務店WEB大賞」の投票が行われた。大阪の北摂を拠点とする工務店「ケイ・ジェイ・ワークス」が大賞を獲得した。主催したのは「地域マスター工務店」という団体で、今年が3年目になる。
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「こんな所で働きたい」と思わせる住宅スケールのオフィス
以前、「東京オフィス事情」というウェブサイトの主宰者である、スピークの林厚見代表らを取材したときのことだ。彼らは「クリエーターを呼べるカジュアルさと、銀行関係者と打ち合わせができるフォーマルさを持ち合わせた、ほど良いさじ加減の小規模オフィスを探すことのできるメディアをつくりたかった」。このとき彼ら…
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性善説に立った私が甘かった…
「建材・設備メーカーは、製品の良いところしか言わない。話半分で疑ってかからないとひどい目に遭う」――。建材・設備ガイドの立ち上げに当たって、建築・住宅の専門家たちにヒアリングした際、多くの人が口にした言葉である。筆者はそのとき、「もはや相手をだましてまで売り込む時代でもないでしょう。メーカーだってそ…
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改ざんや隠ぺいを促す「漠然とした過剰な不安」
11月21日,中空床版橋の工事に使う円筒型枠の強度試験データを,栗本鉄工所が約40年間にわたって改ざんしていたことが明らかになった。耐震強度をはじめ,最近はニチアスや東洋ゴム工業の建材性能など建築物で偽装の問題が相次いでいるが,土木の分野でも改ざん自体は珍しくない。
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日本の木曽川大橋も崩落に至る最悪のシナリオがあった
米国ミネソタ州で2007年8月,ミシシッピ川に架かる州間高速道路35W号線のトラス橋が崩落して,13人が死亡した事故は記憶に新しい。日本ではその1カ月半ほど前の6月,三重県にある国道23号の木曽川大橋で,コンクリートの床版に覆われたトラスの斜材が腐食して破断したが,死傷者はなかった。米国の橋が崩落…
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建築士が着せた汚名を建築士がそそぐ
久しぶりに気持ちのこもった竣工式に立ち会った。大きなプロジェクトではないし、高名な設計者がかかわった物件でもない。11月25日に行われた戸数19のマンション、コンアルマーディオ横濱鶴見の竣工式だ。姉歯元建築士による構造計算書の偽造によって2005年12月に使用停止命令が下され、耐震改修工事を進めて…
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ぐらつく手すりに疑心暗鬼、建築界は信頼回復を
まずは動画をご覧いただきたい。見ての通り、ベランダのアルミ製脱落防止手すりは、力を加えるといとも簡単にぐらつく。場所によって異なるが、最もぐらつく個所は振幅が2cmほどにもなろうか――。
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「不都合な真実」に土木広報を学ぶ
2007年のノーベル平和賞の受賞者が10月,米国のアル・ゴア元副大統領らに決まった。環境問題に取り組む氏の活動が認められたわけだが,その活動を描いた映画「不都合な真実」が受賞に与えた影響も,無視できない。
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評価を上げるための努力のコストを考える
総合評価落札方式やプロポーザル方式において,成績評定点は受注者を選ぶ際に各社の技術力を示す項目として取り入れられている。成績評定とは,公共事業の発注者が建設会社や建設コンサルタント会社の作業内容を評価する仕組みだ。建設工事でも,建設コンサルタント業務でも,いま手がけている仕事が次の受注に影響するこ…
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オフィス用の机、進化のキーワードは「情報環境との融合」
「企業に机を収めたメーカーが家具全体の納品でも主導権を握る」という考えがオフィス家具業界では有力なことから、メーカー各社は机の差異化にしのぎを削っている。2007年10月から11月にかけて相次いで発表された大手オフィス家具メーカーの新製品の取材を進めるなかでも、その様子がうかがえた。
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「このままでは工務店が消えてなくなる」工務店全国組織が新団体
工務店経営者の団体である全建連(全国中小建築工事業団体連合会)から、「JBN工務店全国大会のご案内」と書かれた案内状が届いた。
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求む!建築設計のネットコンペ・ミシュラン
独立後、間もない住宅設計者を取材して、意外なまでの「ネットコンペ・アレルギー」に驚いた。ネットコンペとは、建築プロデュース会社などがインターネットを介して発注者の依頼を受け、参加者を募る設計コンペだ。住宅設計者との接点を求める発注者と、新たな発注者との出会いを求める住宅設計者のニーズに応え、この1…
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図面の不備が招くトラブルをどう防ぐ
先週末、三協立山アルミが製造した「墜落防止用手すり(後付け工法アルミ型材タイプ)」の一部に仕様書に定めた強度を有していないものがあることが明らかになった。図面の不備がトラブルの原因だ。同社は、後付け工法の手すりについて施工手順書を描いていたが、指示内容を記した文字が小さいなど不適切なものだった。そ…