ケンセツ的視点
目次
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9割は受理時の審査でアウト、動かない建築確認
6月20日に施行された改正建築基準法の取材を続けている。施行から2週間が過ぎ、少しずつ実務上の課題が顕在化しつつあるようだ。7月2日には、新確認制度をかなり実直に運用する方針で対応を開始した横浜市に取材した。
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神奈川県立音楽堂で体感した老建築の底力
民間建築市場には晴れ間も見えているなかで、公共建築市場の冷え込みが続いている。先日、国土交通省による2007年度建設投資の見通しを報じた際に、政府関連の建設投資は1999年度以降、減少し続けていることを確認した。特定の公共建築について報じる際にも、二言目には「財政難」と書いているような気がする。5…
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第三者の評価ビジネスが広がる建築・土木分野
「ついに、ここまでやるようになったか」。分譲マンション事業を展開するニチモが、マンションを販売する際に第三者の性能検査を導入すると聞いて、こう思った。わが家のマンションでも、売り主との間で「図面と建物が違う」というトラブルが過去にあり、こんな仕組みがあればいいと思っていたところだ。
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東京大気汚染訴訟で問われる環境の“費用対効果”
東京都内のぜんそく患者らが国や東京都,首都高速道路会社,自動車メーカーなどを相手に損害賠償を求めた東京大気汚染訴訟で,東京高等裁判所は6月22日,和解案を提示する。国などはすでに公害対策などの具体案を原告側に伝えており,和解がおおむね成立する見通しだ。
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オフィスの移転・改修に関する記事が注目集める、スペースの柔軟な活用策がカギ
オフィスの専門サイト「オフィス・アイ」で、2007年5月にアクセス数が多かった記事ベスト10を集計したところ、オフィスの移転・改修に関する記事が上位10本のうち、6割を占めた。
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映画「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」を見て──形から入ってもいいけれど…
6月2日公開の映画「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」を先日見た。奇抜な造形で知られる米国のスター建築家フランク・ゲーリー氏の活躍ぶりを、同氏に対するインタビューと周囲の人々の談話の形で描いた作品だ。日経アーキテクチュアが2007年5月14日号127ページで紹介している。紹介文では高く評価されて…
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【アンケートあり】階段には必ず「手すり」を──あなたはどう思う?
日経アーキテクチュアでは現在、「手すり」をテーマとする特集の取材を進めている(掲載は7月9日号の予定)。階段やバルコニーの手すりについて、法規・安全・デザイン・歴史などの視点から、多面的に検証してみたいと考えている。
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住宅よ、もっと厚く、もっと重くなれ
取材中にこんな言葉を投げかけられて、意表をつかれ、その通りだと感じた。言い放ったのは明治大学の菊池雅史教授。住宅の外装材に使われるサイディングのJIS規格改訂の取材で、材料の厚さと性能の関係についてやり取りしている最中に出てきた言葉だ。
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6月は環境月間、サステナブル建築やCASBEE(キャスビー)を広めるには
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復元される建築──大阪城、東京駅、将来は中銀カプセルタワービルも?
中銀カプセルタワービル、都城市民会館──。日本建築学会の保存要望もむなしく、今年建て替えや取り壊しが決定した建築物だ。いずれも建築界では「戦後建築の名作」という評価を得ていた。
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設計者は敷地トラブルがお好き?――「法務」欄の歴史に見る建築トラブルへの関心度
設計者はどんな建築トラブルに関心が高いか?…という問いに回答する前に、「法務」欄についてちょっと説明を。日経アーキテクチュアには、1975年の試作版からずっと続いている「法務」欄がある。「法規」「判例情報」など名前が多少変わりこそすれ、弁護士の方々が注目の判例や法改正について解説するという構成に変わ…
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2番手の逆転勝利、価格差をひっくり返したプレゼンテーション
記者をやっていると、ときどきスピーカーとしてセミナーなどに引っ張り出されることがある。「話すのは苦手です」と断ると、上司は「これからの時代、記者も歌って踊れないとダメだ」と、わけのわからないことを言う。10年以上前のことだ。「普段、記事で書いていることを話せばいい」となだめられ、のこのこ出かけて行…
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「決めないことを決めた」銀座旦那衆のしなやかさ、したたかさ
東京・銀座のまちづくりを追い続けて2年になる。この数年間、銀座地区では松坂屋や三越、歌舞伎座など大規模な建て替え計画が相次いで明らかになった。これを受ける形で、建物の高さなどを規制する地元発意の地区計画、通称「銀座ルール」が厳格化されてから半年。見直しの中心を担った「銀座街づくり会議」が、銀座らし…
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隈研吾氏×竹中平蔵氏×米倉誠一郎氏、“つまらない東京”からの脱却を指向
5月16日、六本木ヒルズ森タワーで、アカデミーヒルズが主催する「第38期アーク都市塾兼2007年度Roppongi BIZオープニング記念セミナー」が開催された。パネルディスカッションのテーマは、「これからの東京、ビジネスと感性が融合する都市像」。一橋大学イノベーション研究センター教授の米倉誠一郎…
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国交相は予算3%削減の「ショックな話」に反論できたのか
5月8日に開かれた政府の経済財政諮問会議で、民間議員4人は2007年度に引き続き2008年度の公共事業予算も名目対前年度比で3%削減すべきだと主張した。さらに、2011年度までの3年間、同様の努力を継続すべきだと指摘した。冬柴鉄三国土交通相は、「ショックな話だ」と批判した。
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「デジカメが足りない」――。能登半島地震の被害調査に民間企業の物資支援
震災においては住民だけでなく、様々な対応に追われる行政の担当者もまた被災者だ。3月25日に発生した能登半島地震でも、このことを強く感じる出来事があった。震災発生から3日後、輪島市職員への支援で現地入りしていた調査会社の人から、「被害調査に必要なデジタルカメラが足りずに、市の職員が困っている」と連絡…
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ロフトにこそ手すり付きの階段が欲しい
我が家のマンションにはロフトがある。ロフトがもの珍しく感じられた入居当時は、用がないのに登ったり、リビングを見下ろすアングルで意味なく写真を撮影したりと、うきうきする毎日だった。1年たつとさすがに飽きてしまい、3年前からは、恐らく設計者の意図した通り、物置と化している。
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ジェットコースター事故に限らない、悲劇の後で気づく「維持管理の重さ」
5月5日、ゴールデンウイークの遊園地を襲ったジェットコースターの脱線事故は、折れた車軸が金属疲労を起こしていた可能性が高いとの見方が強まっている(5月8日現在)。金属疲労は目視による定期点検では把握できない現象だという。見えない部分まで維持管理や点検の目が行き届かず、気づかないうちに劣化が進んでい…
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「オフィスの時代」が再到来か!?
KEN-Platzはオフィスの専門サイト「オフィス・アイ」を4月3日に開設し、オフィスワーカーの生産性・快適性・安全性を高める情報を発信している。このサイトで過去1カ月に最も読まれた記事は、「写真で見る新丸ビル、ベンチャー企業の支援拠点やオフィスフロアなど公開」。それに「日経不動産マーケット情報が選…
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長雨続きの土木、ときどき晴れの建築、好天の不動産
建築、土木、不動産の3分野を眺めて、どうしてこうも違うのだろうと思うことがある。市場環境と人材流動性だ。天候に例えれば、不動産は好天続き。市場の拡大に人材の供給が追いつかず、他分野からも人が流入している。