ケンセツ的視点
目次
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映画「こわれゆく世界の中で」が描いたマイペースすぎる建築家像
4月21日公開のイギリス映画「こわれゆく世界の中で」(アンソニー・ミンゲラ監督)で、主人公ウィル(ジュード・ロウ)の職業は建築家だ。ロンドン市内のキングス・クロス地区に設計事務所を構えて、同地区再開発の設計・監理に取り組んでいる。映画を見て、ややマイペースすぎる仕事ぶりが気になった。
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落札率63.5%の低入札工事の所長を任されたら
予定価格を大きく割り込んで低入札価格調査の対象となる「低入札」は,もはや日常的になっている。多くの工事で原価割れが危ぶまれる一方,国土交通省が2007年3月にまとめた調査では,施工計画通りに進めば,営業利益ベースで黒字を達成できそうな低入札工事もあることが判明した。
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市民参加の難しさを乗り越えて建築学会賞を受賞した茅野市民館
2007年日本建築学会賞作品賞に、ナスカ代表の古谷誠章氏らが設計した茅野市民館(長野県茅野市)が選ばれた。選考委員会作品部会(部会長:長澤悟・東洋大学教授)は、意匠だけでなく市民参加というプロセスについても評価した。市民館を巡る出来事を取材した身としては、感慨深い。
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度重なった安藤忠雄氏を意識した発言、“サムライ建築家”黒川紀章氏の知事選47日間(第5回)
連載の第2回でも触れたように、公示後に黒川紀章氏が行った演説や記者会見では、何度も安藤忠雄氏の名前が出てきた。その多くは、「安藤氏への対抗意識があるのではないか」という憶測を吹き飛ばそうとしたものだ。
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ヘリやクルーザーなどパフォーマンスに傾倒、“サムライ建築家”黒川紀章氏の知事選47日間(第4回)
東京都知事選挙の告示日である3月22日。いよいよ戦いの火ぶたが切って落とされた。この後、選挙戦を通じて黒川紀章氏が繰り広げた“パフォーマンス”は、驚きの連続だった
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都市政策を核にしたマニフェストで戦いに挑む、“サムライ建築家”黒川紀章氏の知事選47日間(第3回)
黒川紀章氏が出馬を表明する前後では、東京都知事の石原慎太郎氏に対抗できる候補者が誰になるかという点に関心が集まっていた。特に、黒川氏が出馬を表明した後に有力な候補者として浮上した前宮城県知事の浅野史郎氏の動向が注目されていた。そのような状況下で黒川氏は3月2日、都知事選挙のマニフェスト(公約集)を…
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オリンピック招致の中止を熱弁、“サムライ建築家”黒川紀章氏の知事選47日間(第2回)
東京都知事選挙で惨敗した黒川紀章氏が、都知事選への出馬を表明したのは2月21日だった。同日の夜、日経アーキテクチュアのニュース記事を担当するデスクから「黒川紀章が東京都知事選挙に出馬するらしいが、本当か」という電話を受けたことが、同氏の選挙戦を追いかけるきっかけとなった。
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「僕は全然駄目じゃないか」、“サムライ建築家”黒川紀章氏の知事選47日間(第1回)
「僕は全然駄目じゃないか。もう決まりだね」。4月8日午後8時過ぎ、東京都知事選挙の投票が締め切られた直後に始まったNHKの報道番組の冒頭で出口調査の結果が出るや否や、黒川紀章氏はこうつぶやいた。
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技術力重視の時代の入札のあり方とは
「スキーのジャンプ競技のようなもの。いくら遠くまで飛んでも,転倒してしまったり飛び方が美しくなかったりすれば,メダルには届かない……」。
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朽ち果てた建物に過剰なまでの耐震金物
震災後の能登で、目に焼き付いた被害の光景がある。輪島市中心部・朝市通りの裏手で、朽ち果てるように崩壊していた古い木造建物がそれだ。 建物自体は地震で壊れても不思議はない古い土壁造の2階建てだった。その中で目に止まったのは……