ケンセツ的視点
目次
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丸裸にした戸建て住宅がリノベ市場を育てる
「あの梁の金物を見てください。あれは現行法ではNGとなるやり方です。こういった不具合も、壁を壊して柱や梁だけのスケルトン状態にしたから見つけやすいのです」――。説明をする講師の話に、真剣に耳を傾ける参加者たち。4月21日にリビタ(東京都渋谷区)が開催した住宅イベントの様子をお届けしよう。
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木材の“アジ”を残して建築物をストック活用
ある日、取材をしている最中に担当者から「桟橋のデッキの保全工事があるのだけれど、見に来ませんか」と誘いを受けた。話を聞くと、木製のデッキ塗装を中心とした保全作業だという。既存建物のストック活用のヒントがありそうな気がしたので、カメラを片手に作業現場にお邪魔することにした。
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「問題解決」を超えた提案力で、中古住宅市場の拡大を
マイナス10をマイナス5にしようという問題解決型のアプローチだけでは、住まい手への訴求は不十分ではないだろうか。新たな楽しみ方や魅力をもっと住まい手に伝えることができれば、中古住宅市場はもっと広がる可能性がある。
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住宅業界と土木業界に見出した共通課題
昨年、小社の日経ホームビルダーから日経コンストラクションの編集部へ異動した。どちらも建設業界を取材対象とする点は同じだが、前者で取材した個人住宅と、後者の記者として取材を始めた公共土木施設の各業界は、建設業界内の両極端の感がある。異動後、新鮮な発見に満ちた日々を過ごす一方で、両業界が抱える共通の課題…
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「同じ釜のメシ」再考
アルジェリアの事件があってから、前に働いていた会社のことをあれこれ考えることが多い。特に今思うのは「同じ釜のメシ」、言い換えれば共同体験についてだ。私が入社した当時の日揮では、理系・男性の新入社員の多くは配属後しばらくすると内外の現場駐在に散った。
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二次部材で人が死んだ、重い天井板崩落
中央自動車道の笹子トンネルで天井板が落下して9人が亡くなった。土木技術者にとってこの事故は非常に重い。指摘される「老朽化」の問題に加え、天井板という二次部材(非構造材)が「凶器」になったからだ。東日本大震災で建物の吊り天井が落下して死者を出したことと同じことが、インフラでも起こったと言える。しかも、…
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ポリス型と仮想型でスマートタウンは進化する
スマートタウンの街びらきやスマートタウンの分譲計画の発表など、賢い、スマートな街づくりを巡る動きが活発になっている。スマートな街とは、いったいどのような街づくりになるのだろうか。そして、その街づくりには、地元密着型の工務店などが参画するチャンスはあるのだろうか…。そのヒントを、10月31日から11月…
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防災研究者は結果責任を負う? 伊地震予知実刑の波紋
2009年にイタリア中部のラクイラで発生した地震をめぐって10月22日、伊政府の委員会メンバーだった7人の地震研究者らに下された禁錮6年の実刑判決。日本地震学会の加藤照之会長は29日、研究者が地震被害の結果責任を問われることに対して「強い懸念を感じる」と、判決を批判する声明を出した。加藤会長の言い分…
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“男前大工”が木造住宅を救う
「はい、ちょっとそこで目線をこっちに」「じゃぁ今度は丸のこぎりを持って構えてみようか…」「そうそう、そのポーズ。いいねぇ」――。住宅の建築現場には似合わない言葉が飛び交う。通りすがりの人が見たら「ドラマの撮影?」と勘違いするかもしれないが、撮影しているのは実際に建築中の現場で、そこに立っているのは本…
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IT的なスマートハウスに違和感、CEATECで
幕張メッセ(千葉市)で開催された、最先端IT・エレクトロニクス総合展の「CEATEC JAPAN 2012」。今年はスマートシティやスマートハウスといった、建築・建設業界にも関わりがあるキーワードが新聞やテレビなどのニュースをにぎわせていた。だが、CEATECでうたわれているスマートハウスという言葉…
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掃除ロボがスマートハウスの標準装備になる日
シャープが発表した掃除ロボット「ココロボ」。その記者発表の会場で説明を聞くうちに、「掃除ロボットが将来、スマートハウスの標準装備になるのではないか」という考えが筆者の頭に浮かんだ。住宅と人をつなぐインターフェースとしての掃除ロボットの姿を検証してみる。
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家を建てた工務店のOB顧客を自動車販売が奪う
リフォームをきっかけに大手ハウスメーカーが工務店や地域ビルダーといった住宅会社のOB顧客を奪い去って行く…。こんな顧客の争奪戦が激化しそうだ。その足がかりとなるのが、家庭のコンセントにつないで充電できるプラグインハイブリッド自動車(PHV)だ。
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復興住宅と内田雄造先生
東日本大震災の復興住宅をつくろうとしている人たちの間で、中越地震で被災した旧山古志村(新潟県長岡市山古志)の復興住宅が注目を集めています。例えば、11月23日に入村式を迎えた「石巻市北上町白浜復興住宅」は、工学院大学建築学部教授の後藤治さんが旧山古志村の復興住宅を手本に計画したものです。
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「大臣、お帰りなさい」の期待と不安
東京・霞が関の国土交通省。9月2日午後7時20分過ぎ、節電で薄暗くなった正面玄関を通って前田武志大臣が初登庁した。拍手で出迎えた同省の職員に「ありがとう」と手を振る大臣。「お帰りなさい」と、ある職員は小声で返した。
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新築住宅の合板フローリングに謎の不具合
取材で知り合ったある工務店の社長から、1本の電話がかかってきた。「4年前に引き渡した新築住宅で、床材のトラブルが連続して生じている。意見を聞かせてくれないか」。
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百花繚乱の仮設住宅、今後の“結実”に期待
東日本大震災で建てられた数ある仮設住宅のなかで有名になった事例の一つが、岩手県住田町の仮設住宅だ。木造であることが珍しいうえに、国や県の指示を待たずに町役場が整備に乗り出した点や、地元出身の大工が地元産の木材でつくった点などが高く評価され、数多くのマスメディアで報じられた。
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電気?ガス? 震災後の選択
東日本大震災直前の時点で住み替えやリフォームを計画していた顧客500人にアンケート調査した。震災後に採用したくなった設備や仕様を尋ねたところ、1位はダントツで太陽光発電システム、そして2位にLED照明、3位に制震・免震システムが続いた。
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浜岡原発で中部電力の想定を上回る津波の恐れ
中部電力は、想定・東海地震、東南海地震、南海地震が3連動する場合、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)における想定・津波高を8m程度としてきた。しかし、その一方で、「東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト」が、すでに、「3つの地震が数分~数十分の時間差を置いて連動発生した場合には、浜岡原発…
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「普通の生活」が被災地を救う
東日本大震災は日本の住宅産業に危機をもたらした。合板や設備機器が市場から消え、各地で仕掛かり中の現場が止まった。エネルギー不足が深刻化し、企業活動は停滞している。自粛ムードがはびこる中、消費マインドも急激に冷え込んでいる。日本中が先の見えない不安におびえている。
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PFI法改正、脱・請負のときが来た
PFI(民間資金を活用した社会資本整備)の活用は、国や自治体の財政が厳しいなかで、必要な社会資本整備を進めるための手段だ。この法改正は、建設会社や建設コンサルタント、建築設計事務所の事業領域を広げる可能性を秘めている。