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 「心配のしすぎではないか。まじめに仕事をしてきた一級建築士なら、改正法が仕事に与える影響はさほどないはずだ」。改正建築基準法が施行された直後の6月22日、国土交通省建築指導課のある職員はこう語った。同日付のケンプラッツの記事「80%が『仕事に大きな影響がある』──緊急アンケートに大きな反響」に目を通したうえでのコメントだ。

 この記事は、ケンプラッツの読者にアンケートで「改正された建築基準法はあなたの仕事に影響を与えそうですか」と質問した結果をまとめたものだ。「大きな影響がある」81%、「多少は影響があると思う」18%、「ほとんど影響はないと思う」1%という結果だった。

 職員はこう続けた。「まじめな建築士なら、例えば建築確認審査中の申請図書の差し替えや訂正など、改正建基法で禁じられなくても、いままでしていなかったはずだ。今度の改正法の目的の一つは、建築確認時の悪(あ)しき慣行をなくすことだ」。

 そもそも「まじめな建築士」の条件とは何か。国交省の薄暗い廊下を歩きながら考えた。法令順守はもちろん重要だ。その一方で、建築指導課の職員が言及しなかった顧客満足度を高める努力も不可欠といえる。

 改正法が施行される以前に、建築士が確認申請の後で設計を変更した事情は様々だろう。建築士自身の事情で変更したケースがある一方で、顧客の要求にできるだけ応えようとした結果、そうなったケースも少なくないのではないか。

 改正法の施行後、建築士が顧客に「不まじめ」と誤解されないためには、顧客にもある程度、改正法のポイントを理解してもらう必要があると考えられる。具体的には、建築確認の審査が厳しくなり、設計を変更しにくくなった点や、審査期間の長期化が避け難い点などだ。

 改正建基法は、建築士にとって、必ずしもわかりやすくはないだろう。現場の実態を把握したいと考えて、施行から約1カ月たったいま、「改正建築基準法施行1カ月アンケート」を実施する。できるだけ多くの読者に、ご協力をお願いしたい。